令和6年3月24日~30日にかけて、フィリピン農業省砂糖統制庁(Sugar Regulatory Administration: SRA) のMitzi V. Mangwag役員とIgnacio S. Santillana副長官が、国際農研の熱帯・島嶼研究拠点およびつくば本所などを訪問しました。国際農研とSRAは気候変動総合、熱帯島嶼環境保全、熱帯作物資源の3つのプロジェクトで共同研究を行っています。
国際農研と研究連携協定を締結している沖縄県農業研究センターでは、伊禮研究統括および内藤作物班班長より、サトウキビの育種に関する研究内容と研究施設について説明を受けました。これを受けSRAからは、交配などの育種研究設備の更新や研究方法に関する指導に要請がありました。
熱帯・島嶼研究拠点では、サトウキビの深植栽培や製糖残渣を活用するための圃場試験など、SRAと国際農研との共同研究の進捗を視察され、SRAから成果への高い期待がよせられました。また、近隣の農家圃場では、日本のサトウキビ栽培システム、特に小型ハーベスター/トラクターなどの農業機械を見学され、フィリピンへの早期導入について意見交換を行いました。
つくば本所では、小山理事長ならびに林プログラムディレクターと会談し、フィリピンおよび日本におけるサトウキビ栽培の持続的発展ならびに地球規模の課題解決を目指し、協力関係を更に強化することの確認がなされました。
意見交換後の「持続的なサトウキビ栽培システムのための特別セミナー」では、Mangwag役員よりフィリピンにおけるサトウキビ栽培の重要性および現在直面している課題の紹介と共同研究への感謝・期待が述べられました。また、安西プロジェクトリーダーよりSRAとの共同研究紹介と、SRAの協力によりフィリピンでの研究が安全かつ円滑に進んでいることへの感謝を述べました。そしてSantillana副長官より、フィリピンのサトウキビ栽培が抱える課題と国際農研とSRAとの共同研究への期待が述べられました。
今回の訪問を通して、国際農研とSRAとの協力関係がより強固になったと思われます。また、サトウキビ栽培の持続的発展に向けて日本とフィリピンの幅広い協力関係構築が期待されます。