米国科学アカデミー発刊の米国科学アカデミー紀要(PNAS)から、2021年最優秀論文賞『Cozzarelli Prize』の賞状が発行され、この度、受賞者に授与されました。
本受賞は、野生コムギ近縁種であるオオハマニンニクに、BNI能を制御する染色体領域を特定し、多収コムギ品種との属間交配によって世界初となるBNI強化コムギを開発したことが評価されました。本研究の成果によって、少ない窒素肥料で生産性を維持しながら、水質汚染や温室効果ガス排出につながる窒素汚染の防止に貢献することが期待されています。
また、令和3年度より、SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)プロジェクト『生物的硝化抑制(BNI)技術を用いたヒンドゥスタン平原における窒素利用効率に優れた小麦栽培体系の確立』として、世界第2位のコムギ生産国であるインドで、社会実装に向けた取り組みを進めています。
国際農研は、国際共同研究を通じたBNI技術による地球規模課題の解決を通じて、国際社会に貢献していきます。
- Cozzarelli prizeの動画
- PNAS 2021 Cozzarelli Prize Winner for Class VI: Applied Biological, Agricultural, and Envtl Sciences
https://www.youtube.com/watch?v=Q_Bj38PsQxg - 受賞論文
- Enlisting wild grass genes to combat nitrification in wheat farming: A nature-based solution
https://doi.org/10.1073/pnas.2106595118