研究成果情報

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国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
年度ごとの国際農林水産業研究成果情報はこちら

  • アカホシカメムシの捕食性天敵ベニホシカメムシの生態的特性(2001)

    ベニホシカメムシは、ワタ・オクラなどのアオイ科作物の重要害虫であるアカホシカメムシ類だけを捕食する狭食性の捕食者であり、高い増殖力をもち、短日下でも非休眠であることから、アカホシカメムシ類に対する有力な捕食性天敵として位置付けられる。

  • 水稲の登熟期におけるメタン発生と稲根圏のメタン酸化細菌数には稲品種間差がある(2001)

    亜熱帯水田稲根圏にはメタン酸化細菌 Methylosinus spp.が生息し、稲根圏の菌数は水田からのメタン発生量が多くなる出穂期から登熟期にかけて増加する。水稲の登熟期におけるこの菌数とメタン発生流量とは稲品種間で有意に差がある。

  • WTO加盟の中国農業への影響(2000)

    中国WTO加盟によって、小麦、トウモロコシ、大豆等の輸入が増大することが予想されるが、米の輸入は増えない可能性が強い。WTO加盟後は、安価な農産物の輸入が増えることに加え、価格支持政策の実施が制限されるので、穀物国内価格は上がりにくくなる。

  • 日本在来小麦と中国育成小麦の赤かび病抵抗性遺伝子の比較と集積(2000)

    小麦赤かび病抵抗性品種の延岡坊主小麦(日本在来)と蘇麦3号(中国育成)との雑種F1に由来する半数体倍加系統を用い、関与する抵抗性遺伝子の数が推定され、両品種のもつ抵抗性遺伝子を集積した系統が作出できる。

  • プロリン代謝系酵素遺伝子操作による環境ストレス耐性植物の開発(2000)

    シロイヌナズナのプロリン分解酵素遺伝子発現を抑制すると植物体の耐凍性および耐塩性が向上する。

  • タイ国コンケン県における農業生産に関わる窒素循環(2000)

    東北タイのコンケン県において求められた農業生産に関わる窒素フローから、農地における窒素収支は-40kg/haと見積もられる。農地に還元される窒素量が34kg/haあるが、還元されない窒素量も58kg/haであり、これらの未還元有機物資源を農地へ効率的に還元することにより、窒素収支の適正化が期待できる。

  • ブラジルの草地およびダイズ畑における窒素収支(2000)

    ブラジルセラードにおける連続草地と連続ダイズ畑での窒素収支を定量化する。連続ダイズ畑では窒素肥料を施用しないにもかかわらず下層に硝酸態窒素が蓄積する。両農地において窒素収支はマイナスになり、その度合は連続ダイズ畑の方が連続草地より大きい。

  • CO2濃度増加にともなう水田からのメタン発生量増加(2000)

    CO2濃度増加水稲バイオマスを増加させると同時に、水田からのメタン発生量を増加させる。

  • 積雪深の分布と融解状況をリモートセンシングで知る手法(2000)

    衛星搭載マイクロ波放射計SSM/Iのデータにより、ユーラシア寒冷域の積雪深分布と、その融解状況をを日単位で推定できる。

  • セジロウンカに対する中国ジャポニカ水稲‘春江-06’の品種抵抗性(2000)

    中国ジャポニカ水稲‘春江-06’の高度なセジロウンカ抵抗性は、優性の吸汁抑制形質と、劣性の殺卵誘導形質の複合作用によって発現し、両抵抗性形質は、それぞれ中間母本‘秀水04’および‘祥湖24’、‘C81-40’に由来する。

  • インドネシア産大豆の豆腐・テンペへの加工適性(2000)

    インドネシア産大豆は、輸入米国産大豆と比べタンパク質含量が高く、豆腐加工適性に優れる。テンペ加工においては、粒の大きい大豆ほど収量および官能評価も高く、百粒重が15g程度の品種を用いれば、製品テンペの官能評価における輸入米国産大豆とインドネシア産大豆との明らかな差は認められない。

  • インドネシアにおける大豆発酵調味液ケチャップ製造用麹菌の改良(2000)

    インドネシア醤油様大豆発酵調味液ケチャップの麹製造用に、Aspergillusの有用株から紫外線照射により白色変異株を作成した。同国常在のアフラトキシン生産菌との識別が容易なため、スターター(種菌)として使用できる。

  • 東北タイ緩斜面畑地におけるアレイクロッピング技術(2000)

    東北タイ緩斜面畑地においてアレイクロッピングに用いる樹種としては、ギンネムが適している。熱帯モンスーンの降雨に支配される樹木生育パターンからみて、緑肥として用いるための適正な刈込み間隔としては年3回、樹木間における作物の生育及び栽培管理上からみて、適正な並木間隔は20mである。

  • 下層土破砕処理による畑地土壌水分の有効利用技術(2000)

    東北タイ緩斜面畑地において、サブソイラにより深さ50~60cmの下層土破砕処理を行うことにより、雨期の斜面流去水を土壌深層に蓄えることができ、土壌水分を増加させるとともに、土壌硬度を減少させて、作物生育を促進することができる。

  • 東北タイ砂質畑地帯における不耕起栽培の適用性(2000)

    東北タイ砂質畑地帯において、不耕起栽培土壌浸食防止雑草発生の抑制および土壌水分の保持に有効である。不耕起栽培における作物の出芽と生育は雨期、乾期ともに耕起栽培におけるより優れている。

  • 東北タイ畑地優占雑草に対する機械除草の効果(2000)

    東北タイの畑地帯で優占している雑草、ハシカグサモドキの防除には、管理機により作物条間のロータリ耕を行う機械除草の効果が高い。雑草防除に必要な除草回数は、作物の種類により異なり、初期生育速度が大きい作物ほど少ない。

  • メコンデルタの水稲潤土直播栽培における収量性からみた最適播種量(2000)

    メコンデルタ水稲潤土直播栽培において、慣行播種量(200~250kg/ha)より少ない播種量(50~100kg/ha)で最高収量が得られる。必要な苗立数確保と手播ムラを小さくするためには、播種量(80~100kg/ha)が奨励される。本播種量は慣行播種量の1/2~1/3に節減されるため新品種の普及および種子の更新が促進されると共に種子費用も節減できる利点がある。

  • パラグアイの有害線虫抑制に有効なダイズ品種、輪作作物及び対抗植物(2000)

    ジャワネコブセンチュウの線虫密度低下にダイズ5品種、ミナミネグサレセンチュウではダイズ1品種、輪作作物1品種、対抗植物1品種、ニセフクロセンチュウではダイズ3品種、輪作作物1品種が利用できる。

  • 脂肪細胞への分化抑制効果を示す大豆発酵食品中の生理機能性成分(2000)

    タイのタウジャオ(みそ様発酵食品)醤油腐乳日本の味噌などの大豆発酵食品に含まれる物質1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-β-カルボリン-3-カルボン酸(MTCA)は、脂肪細胞への分化を抑制する。MTCAの含量を定量することにより脂肪細胞への分化抑制活性を推定することができる。

  • 腫瘍壊死因子(TNFα)はマウスのトリパノソーマ感染抵抗性に寄与している(2000)

    トリパノソーマ・コンゴレンス原虫を感染させた腫瘍壊死因子(TNFα)遺伝子欠損マウスの病態を解析することによって、TNFαはマウスにおける原虫増殖を抑制し、トリパノソーマ抵抗性に寄与していることが判る。