パラグアイの有害線虫抑制に有効なダイズ品種、輪作作物及び対抗植物

要約

ジャワネコブセンチュウの線虫密度低下にダイズ5品種、ミナミネグサレセンチュウではダイズ1品種、輪作作物1品種、対抗植物1品種、ニセフクロセンチュウではダイズ3品種、輪作作物1品種が利用できる。

背景・ねらい

  現在、パラグアイは日系農協を中心に大規模なダイズの不耕起栽培で世界一の単収を上げている。今後とも高生産性を維持し安定化させるためには栽培・土壌・病害虫等の問題を解決しなければならない。その一つに線虫問題があり、輪作体系を通して低コスト・安定的な耕種防除法を確立する必要がある。

成果の内容・特徴

  1. パラグアイのダイズ栽培地ではジャワネコブセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウ及びニセフクロセンチュウの3種の有害線虫が認められる。
  2. ダイズ品種(「BR-6」、「SANTA ROSA」、「FT-COMETA」、「BRAGG」、「FORREST」)の5ヶ月間栽培(以下同じ)によりジャワネコブセンチュウの密度は顕著に低下する。
  3. 輪作作物(エンバク「ヘイオーツ」)、対抗植物(クロタラリア)、ダイズ品種「PEKING」を栽培することで、ミナミネグサレセンチュウの密度を播種時の90%~20%に低下できる。
  4. ダイズ品種(「SHARKY」、「PICKETT」、「FORREST」)、輪作植物(ソルガム)を栽培することで、ニセフクロセンチュウの密度は80%~30%に低下できる。

成果の活用面・留意点

  1. ダイズ圃場の発生線虫の種を確定後、有効な耕種防除のための作物を選定する必要がある。
  2. ソルガムはミナミネグサレセンチュウには効果が無く反対に線虫を増やし、被害を助長するので栽培に当たって注意する必要がある。

具体的データ

  1. 表1
Affiliation

国際農研 生産利用部

農業研究センター

北海道農業試験場

パラグアイ農牧省

国際協力事業団パラグアイ農業総合試験場

予算区分
国際研究(南米大豆)
研究課題

大豆作における線虫発生生態の解明と防除技術の開発

研究期間

平成12年度(10~13年度)

研究担当者

清水 ( 生産利用部 )

CENTURION Fabio ( Nikkei-CETAPAR )

奈良部 ( 農業研究センター )

植原 健人 ( 北海道農業試験場 )

ほか
発表論文等

Shimizu, K., F, Centurion., T, Narabu. and N, Minagawa (2000) Plant parasitic nematodes in a soybean field in Paraguay. XXII Congresso Brasileiro de Nematologia, 140pp., 102.

日本語PDF

2000_16_A3_ja.pdf484.71 KB

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