研究成果情報
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国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
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2003 ラドン・水収支法によるため池への地下水浸入と貯水の地下浸出の定量解析
ラドン収支式と水収支式を用いた解析法により、従来法では困難であったため池への地下水浸入と貯水の地下浸出を定量することができる。
2003 シロアリのアリ塚周辺では牧草の生産力と栄養価、及び放牧牛の採食頻度が高まる
草地上の有機物が集積・分解されるアリ塚周囲では、土壌は窒素含有率が高く、牧草も高栄養・高生産力を示す。放牧牛はそれらの牧草を多頻度に採食する。このことは一般的にタンパク供給力が低い熱帯草地において、アリ塚の分布が放牧牛の採食行動、特にタンパク質等の栄養摂取に重要な役割を果たすことを示唆する。
2003 窒素固定エンドファイトのイネでの組織内定着性評価の実験モデル開発
窒素固定エンドファイトのイネへの試験管内での接種法を確立できた。培養法と光学および電子顕微鏡観察等を組み合わせて植物内での接種細菌の感染状況を解析することにより、接種細菌の組織内定着性を明らかにできる。
2003 熱帯のサイレージ醗酵に適した優良乳酸菌
タイ国で良質サイレージを調製するための乳酸菌を熱帯対応型改良パウチ法を用いて検索し、高温(45 °C)下に速やかに増殖して多量の乳酸を生成する優良乳酸菌株を分離した。分離株は少ない菌接種量でも共存する酵母やコリ型細菌の影響をあまり受けず、接種量を増やすと乳酸量が増大し、共存他種微生物の生菌数を低下させた。
2003 ベトナムメコンデルタにおける低利用飼料資源を用いた豚の購入飼料代替と肉質の改善効果
養豚用飼料として米糠、破砕米が多給される地域において、ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)、ウォータースピナッチ(Ipomoea aquatica)等の低利用飼料資源を給与することにより、増体、飼料要求率には悪影響を与えず、背脂肪厚、背脂肪ヨウ素価等の肉質も改善され、農家の収入増加に役立つ。
2003 ベトナム・メコンデルタの養豚農家における豚コレラの診断と損耗対策
ベトナム・メコンデルタでは子豚の致命的疾病として豚コレラが重要な原因であることが明らかとなった。予納接種を効果的に行うためには、市販ワクチンの一本化と接種時期の適正化、普及ワクチンでは母豚は6カ月毎に種付け前の接種、子豚へは生後1月目の接種が必要である。
2003 中国における発酵型ビーフンの物理化学特性
原料インディカ米を乳酸発酵させると、調製されたビーフンの破断強度が減少し、破断変位が増加する。発酵過程において原料米の澱粉含量に顕著な変化は認められないが、タンパク質・脂質・灰分が減少する。また、発酵によって澱粉の糊化温度が低下し、ラピッドビスコアナライザーによる粘弾特性も変化する。
2003 貯蔵食品害虫の天敵、ホウネンカメムシ(Joppeicus pradoxus)の捕食生態
捕食性カメムシの一種であるホウネンカメムシ(Joppeicus pradoxus)は、コクヌストモドキ等の貯穀害虫の捕食量が大きく、貯穀害虫の天敵として有望である。
2003 グルテニン蛋白質遺伝子からみた日本小麦の特異性
小麦のグルテニンGlu-D1f 遺伝子は、世界的にみてきわめて稀な蛋白質遺伝子であるが、日本の小麦品種に特異的に高頻度で存在し、世界的にみて品質的に大きく異なる日本小麦の特異性を示すものである。その理由として、始祖効果および瓶首効果によるものと考えられる。
2003 フタバガキ科Shorea 属6樹種の更新は傾斜のある尾根で優れている
半島マレイシアのセラヤ(Shorea curitisii)が優占する丘陵フタバガキ林択伐施業地内で、かく乱を一番大きく受ける作業道では、人工植栽したフタバガキ科Shorea 属6樹種の成長は、水平な尾根や斜面中腹に比べ、尾根より少し下の斜面上部で優れている。
2003 適度の被陰は熱帯植物の定着を促し、初期保育作業を軽減させる
適度に被陰された森林内では、皆伐地よりも、フタバガキ科樹種を含む多くの植物の活着率、初期成長量が大きくなり、さらに下刈り作業にともなう疲労が軽減し、作業時間も減少する。
2003 熱帯性・亜熱帯性魚類の必須脂肪酸組成の特性
熱帯性・亜熱帯性海産魚の卵稚仔は、冷水性・温水性魚類と異なる必須脂肪酸組成特性を有し、アラキドン酸が重要であることが示唆された。
2003 マングローブ汽水域の浄化機能の解明
エビ養殖池とマングローブ植林池との間で水を循環させるシステムは、底泥中のリンの増加を抑え、環境負荷を低減する。
2003 石垣島宮良川における懸濁物質および窒素とリンの推定流出量
石垣島宮良川から1年間に海洋に流出する懸濁物質、窒素、リンは、それぞれ、1882t、68t、7t と推定される。土壌浸食深は畑地当たり0.2mm、窒素とリンは施肥量と家畜排泄量合量のそれぞれ25%と6%である。
2003 肥効調節型肥料の施用によりサトウキビの窒素施肥量を4割節減できる
サトウキビの春植え栽培において、慣行栽培の追肥窒素分を肥効調節型肥料で施用すると、窒素施肥量を4割節減しても可製糖量は減収しない。また、肥料の利用効率が高くなり、未利用分が慣行より著しく少なくなる。
2003 アズキ近縁野生種Vigna hirtella に見出されたアズキうどんこ病抵抗性
アズキ近縁野生種 Vigna hirtellaはアズキうどんこ病菌に対して抵抗性を示す。本種は栽培アズキと交配可能で、F1 は本菌に対し抵抗性を示す。また、戻し交配第1 世代(BC1)では感受性反応と過敏感反応が1:1 に分離する。よって、本抵抗性は単一の優性遺伝子によって支配されている。
2003 野生種を含む寄主植物の違いによるアカホシカメムシの発育特性の違い
ワタ・オクラなどのアオイ科作物の重要害虫で、アオイ科、キワタ科の多くの野生寄主植物をもつアカホシカメムシは、温度の違いだけでなく、近縁種間においても寄主植物の種の違いにより幼虫期の生存率や発育速度が異なる。
2003 Competitive PCR によるカンキツグリーニング病の病原体DNA の定量
カンキツグリーニング病に感染した植物組織中の病原体に由来するDNA をCompetitive PCR(競合PCR)により定量することで、病原体の増殖量を推定できる。
2002 衛星データ等の地理情報による西ジャワ州傾斜畑地域土壌侵食危険度図の作成
インドネシア西ジャワ州にある傾斜面上の畑では、降雨による土壌侵食の危険性があるが、危険度の高い地域の分布がリモートセンシングデータを用いて解析され、地理情報として示すことができる。ここでは、雨季前の9月に豪雨が降る年があるが、この時期に裸地状態としないことにより、土砂が大量に流出することを抑制することができる。
2002 中国山東省における水資源変化が食糧需給へ及ぼす影響
中国山東省では水資源の変動が穀物生産変動の大きな要因となっており、地域の食糧需給への影響が大きい。水供給量の制約が将来の食糧需給に大きな供給制約を生じさせる可能性を示している。