研究成果情報

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国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
年度ごとの国際農林水産業研究成果情報はこちら

  • オイルパーム空果房を原料とするクラフトパルプの無塩素漂白(1998)

    オイルパーム空果房の有効利用方法の一つとして、クラフトパルプ化無塩素漂白を組み合わせることにより、環壌負荷の少ない手法を用いて、広葉樹パルプ並の白色度、繊維強度を持つパルプの製造が可能である。

  • マングローブ林のリター量(1998)

    マングローブ林に落下する葉や枝などのリター量を持続的なマングローブ林が経営されているマレーシアのマタンにおいて測定した。マタンのマングローブ林は植生の違いによって3タイぷに分けられたがリター量もこれに応じて異なっていた。また、潮の満ち引きによって、海に持ち去られるリター量も水位によって異なっていた。

  • 中国産淡水魚を用いた冷凍すり身の開発(1998)

    中国産淡水魚すり身を開発するため、魚肉タンパク質ゲル形成性を調べた。魚種によってゲル形成性は異なるが、適切な加熱条件を選択することによって、主要魚種であるハクレンコクレン草魚は冷凍すり身原料として利用できることを明らかにした。

  • 短日による日本稲の部分不稔の発生とその要因(1998)

    石垣島水稲二期作および三期作において「日本晴」よりも晩生の多くの品種で部分不稔が発生する。この不稔は短日条件により短縮花粉数減少するため生じるとみられる。

  • アズキ近縁野生種におけるアズキマメゾウムシ抵抗性系統の発見(1998)

    東南アジアに分布するアズキ近縁野生種のアズキマメゾウムシの食害抵抗性を検定したところ、Vigna hirtella V. trinerviaV. umbellata においてアズキマメゾウムシの食害に対して抵抗性を示す系統が発見された。

  • 糸状菌の一種に感染した暖地型イネ科牧野草の害虫に対する摂食阻害作用(1998)

    石垣島において、暖地型イネ科植物15草種において糸状菌の1種 Ephelis sp.の感染が確認された。これらの車種のうちパンゴラグラスにおいては、アワヨトウ幼虫およびマダラバッタ成虫が感染葉よりも非感染葉をより好んで摂食した。

  • 東アジアモンスーン地域におけるイネウンカの移動実態の解明(1997)

    トビイロウンカセジロウンカは、南西モンスーンの季節的推移と稲作時期の地理的勾配に依存した二段階移動によって、東アジアの潅漑水田地帯をベトナム北部の冬春稲から、華南の二期作早稲を経て、わが国の一期作水稲へ飛来する。

  • カンキツグリーニング病の抗血清診断法(1997)

    り病カンキツ葉中肋酵素処理して、し部組織を取る。その組織を磨砕・分画遠心後、最終沈殿をNaCl溶液(中肋重量の40倍濃縮)に懸濁する。この試料1滴を、本病原菌抗血清1滴に滴下する。この微滴法によって、明瞭な陽性診断ができる。

  • マングローブ汽水域における稚幼魚の生産機能の解明(1997)

    マングローブ開発度合の違いに応じた汽水域での魚類生産の差異をインドアイノコイワシ類を例に比較検討した結果、政府の適正な管理下にあり、マングローブの被覆面積の大きいマタンが、マングローブの乱開発が進み消失の激しいメルボックより4~5倍生産性が高いことが示された。

  • ベトナム・メコンデルタの水稲栽培における問題点と改善方策(1997)

    メコンデルタ水稲栽培ファーミングシステムの基幹であり、2期、3期作等の新技術導入により生産性は向上しつつあるが、雨季作はいまだに不安定である。葉色などによる生育診断と、窒素施用法水管理の改善により、倒伏が回避され、生育・収量の安定化が可能である。

  • ドイモイ政策下のベトナム・メコンデルタにおける農業構造変動(1997)

    ベトナム・メコンデルタでは、1988年以降、ドイモイ政策により市場経済が導入される中で、農家の階層分化が顕著に進行している。急速に規模拡大する農家、規模を縮小し土地無し層に転落する農家が存在する一方、2ha未満の中小規模層には、複合経営を取り入れて、経営の安定化を図る動きも認められる。地域単位での複合化を目指す必要がある。

  • 植物の乾燥耐性関与遺伝子群を制御するキイ遺伝子の単離(1997)

    植物の乾燥耐性の獲得に働く遺伝子群を制御している転写因子の遺伝子、ならびに乾燥誘導性のプロモーターを単離した。この遺伝子とプロモーターの利用により、複数の耐性遺伝子の制御が可能になり効果的に作物の乾燥耐性を高められる見通しがたった。

  • ニューラルネットワークを用いた植生変動評価手法の開発(1997)

    オーストラリア中央部に位置するKunoth Paddockを対象地域とし、土壌・水系・植生・地貌・傾斜・水飲み場からの距離・丘陵地からの距離の7要因から、植生の多寡と変動の程度を推定する2種類のニューラルネットワークモデルを開発した。さらに、両評価結果を統合した植生変動評価図を作成した。

  • 衛星データによるインド・デカン高原中央部における農地利用度把握手法の開発(1997)

    衛星データから計算される植生指数値は、土地利用毎に異なった季節変化を示す。インド半乾燥地域を対象とした場合、雨季後の作期(ラビー期)後半において植生指数値により農地と他の用途との区別が可能となる。こうした特性を利用し、年々の農地利用空間分布を推定する手法を開発した。さらに、農地分布と自然条件との対応関係を解析した。

  • タイの畑地土壌からの亜酸化窒素発生量の推定(1997)

    熱帯にあるタイにおける作物栽培期間中に畑地土壌から発生する亜酸化窒素施用窒素に対する比は0.08-0.48%であり、温帯と大差がなかった。

  • ケニアの食生活に占める昆虫食の実態(1997)

    昆虫食の実態とそれが現地の食生活に果たす役割を主にケニアで調査した。最も良く食べられている昆虫はシロアリ羽アリで、特に西ケニアの農村では作物の収穫の途切れる雨期の食料として、不足がちな動物性タンパクおよび脂肪の補給源となっている。

  • コラップス土の力学的特性の解明と定量化手法の開発(1997)

    東北タイに分布する土を対象として、コラップス土の力学的特性を三軸圧縮試験、圧密試験および加圧板試験を行いて明らかにした。また、不飽和土を対象とし、二つのサクション効果を考慮した弾塑性モデルを用いて、コラップス量を定量化する手法を開発した。

  • タイレリア・パルバ原虫感染ダニの牛皮膚付着部位における免疫担当細胞の動態(1997)

    東海岸熱に対するワクチン開発のための基礎的知見を得るために、タイレリア・パルバ原虫感染ダニの付着部位である牛皮膚における免疫担当細胞の動態を、免疫組織化学により明らかにした。

  • 原虫病に関する牛サイトカイン mRNA の in situ ハイブリダイゼーション法による検出(1997)

    サイトカインは、免疫系に関与する生理活性物質であり、免疫担当細胞の増殖や分化に関わることで、動物の生体防御反応の中心的役割を果たしている。In situ ハイブリダイゼーション法による牛サイトカインmRNAの検出が可能となった。

  • 熱帯産水産生物の日齢査定(1997)

    熱帯域に分布する魚類イカ類耳石および平衡石の微細構造を観察し、日周輪による日齢の推定ができるようになった。