農村開発領域の羽佐田勝美主任研究員は、これまでラオスで実施してきたフードセキュリティに関する研究成果を取りまとめ、令和8年3月31日に叢書として刊行しました。
国際農林水産業研究センターは、開発途上地域の農林水産業が直面する課題に向き合い、食料と栄養のフードセキュリティに資する研究を推進しています。本書は、その取り組みの一環として実施された、ラオス農山村での現地研究の成果をまとめたものです。
本書は、ラオス農山村における食料確保と栄養の実態を明らかにするとともに、特に課題とされる動物性タンパク質の不足について、「供給」、「アクセス」、「利用」、「安定性」の4つ視点から分析したものです。家畜生産、野生資源の採集、家畜利用、食品購入、動物性タンパク質の摂取状況や季節変動を、国・地域・世帯という重層的な視点から明らかにしています。また、地域ごとに異なるタンパク質摂取の不足要因を踏まえ、他分野の研究成果も参考にしながら、採集資源の持続的利用、家禽飼養や水田養魚の導入、動物性食材の保存・加工といった、農山村の条件に即した実践的な対応策を提示しています。ラオス農山村の現場に基づく知見から、食料と栄養の課題解決に向けた示唆を提供する内容となっています。
