ラオスは国連開発計画委員会(CDP)が認定する後発開発途上国の1つです。人口の16.5%(2016-2018年)は栄養不足であり、51.2%(2017年)が必要不可欠なすべての栄養素を含む十分な食事を入手できていません。ラオスでは米の消費量は多いですが、タンパク質の摂取量が少なく、5歳未満児の発育阻害率が高い一因になっています。国際農研は2016年~2020年にかけてラオス国立農林研究所とラオス大学との共同で、ラオス農村部におけるタンパク質摂取不足を解決するための研究を行ってきました。その結果、農村地域ほど実際のタンパク質摂取量と必要なタンパク質摂取量の差が大きいことがわかりました。この差を埋めるために、農村地域で入手可能な魚や水生動物資源の継続的な利用や魚の発酵食品としての活用の有用性を明らかにしました。また、水田やため池における在来魚種の養魚の技術を開発しました。このたび、これらの成果をアニメーションビデオとしてまとめ、JIRCAS Channelで公開しました。
本ビデオは、ラオス農村の人々にも見て頂くため、ラオス語のナレーションで制作されました。また、ラオス政府や国際開発機関にも利用してもらえるよう英語のキャプションを入れました。農民集会におけるタンパク質摂取の啓蒙のための利用や、ラオス政府や国際開発機関の政策立案時での活用が期待されます。