熱帯・島嶼研究拠点の寳川拓生研究員および松田大志主任研究員が第22回日本作物学会論文賞を受賞

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熱帯・島嶼研究拠点の寳川拓生研究員および松田大志主任研究員が、研究成果「サトウキビにおける閉鎖型システムを用いた迅速光合成測定」を取り纏めた論文で、第22回日本作物学会論文賞を受賞しました。

熱帯・島嶼研究拠点の寳川拓生研究員および松田大志主任研究員が、研究成果「サトウキビにおける閉鎖型システムを用いた迅速光合成測定」を取り纏めた論文で、第22回日本作物学会論文賞を受賞しました。

光合成は、植物の生育の最も基本的なプロセスであり、CO2同化能力(光合成速度)の改良が植物生育の改良につながるとされてきました。しかし、その測定は開放型と呼ばれる別のシステムの測定機を用いて時間をかけて行う必要があったため、測定環境(測定時刻、天候等)の影響を受けやすく、多点測定が不可欠な遺伝育種研究とは親和性が低いことが課題でした。また、沖縄は高温・強日射であり、植物体サイズが大きいサトウキビの光合成測定には軽労化も必要でした。

寳川研究員および松田主研は、受賞対象となった研究成果において、温帯地域のイネやダイズなど小型C3型光合成作物で近年実用化された閉鎖型光合成迅速測定システムを、亜熱帯地域で光合成能力が高く大型のC4型光合成作物であるサトウキビ遺伝資源の測定においても高い精度で適用可能であることを明らかにしました。その結果、従来機で1点当り5~7分程度要していた測定時間が、本システムにより1点当たり1分以内に短縮できました。

今後、本システムと多数の遺伝資源を活用して、雑種集団や遺伝資源集団等の多点を対象とした迅速測定へ応用し、光合成能力を支配する遺伝領域の特定等、効率的な遺伝解析への発展が期待されます。

Takaragawa, H., & Matsuda, H. (2023). Rapid evaluation of leaf photosynthesis using a closed-chamber system in a C4 plant, sugarcane. Plant Production Science, 26(2), 174-186.
https://doi.org/10.1080/1343943X.2023.2210766

受賞した寳川拓生研究員および松田大志主任研究員(熱帯・島嶼研究拠点玄関で撮影)

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