国際農研は、マダガスカルを対象国として、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムSATREPSの枠組みにおいて、「肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上」(通称、FyVaryプロジェクト)を実施しています。本プロジェクトでは、アフリカに広くみられる土壌や肥料からの養分が限られた生産環境でも効率的にイネの生産性を改善できる技術開発を進めてきました。これまでに、少ない肥料でイネの収量を大幅に改善できるリン浸漬処理技術(https://www.jircas.go.jp/ja/release/2020/press202001)や養分欠乏環境でも優れた生産性をもつ水稲新品種の開発(https://www.jircas.go.jp/ja/release/2021/press202117)に成功しました。
2022年5月10日に実施された国際協力機構JICAの無償資金協力「アロチャ湖南西地域灌漑整備事業」の完成式典において、FyVaryプロジェクトで国際農研が開発した水稲新品種(FyVary32、FyVary85)について、マダガスカル国大統領に説明する機会を得ることができました。大統領は、その収量性の高さやマダガスカルの栽培環境への適性に期待を寄せられました。また、同式典のスピーチにおいて、マダガスカル農業畜産大臣が、大統領、駐マダガスカル日本大使ら要人列席のもとで、FyVaryプロジェクトの成果にも言及し、日本の協力に対する謝意が述べられました。