令和4年9月8日(木)、マダガスカル国アンタナナリボ市のHotel Colbert(Zoom併用)において、JICAとJSTの支援による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS)「肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上」(通称FyVaryプロジェクト)の終了式典を開催し、国際農研の辻本プロジェクトリーダーがマダガスカル農業畜産大臣から感謝状を授与されました。
日本側の代表機関である国際農研の中島プログラムディレクター、JICAマダガスカル事務所長、マダガスカル高等教育科学技術省の科学技術局長が挨拶を述べたのち、マダガスカル側の代表機関である農業畜産省のRamilson Harifidy大臣がビデオメッセージを寄せられ、本式典の開会が宣言されました。同大臣は、2017年に開始された本プロジェクトによって、乏しい養分環境でも優れた生産性をもつ新品種の開発、少ない肥料で効率的に稲収量を改善するリン浸漬処理の開発、数多の研究論文の創出、研究施設整備や若手人材育成など、マダガスカルの発展に最も重要なコメの安定生産に資する多くの成果が挙げられたこと、これら成果が既に数千の農家に使われつつあることについて、関わった多くの研究者、JICA、JSTおよび国際農研に対する謝意を述べられました。
開会の辞に続いて、研究代表の辻本がプロジェクトで得た成果を報告しました。その後、農業畜産省事務次官から、プロジェクト対象県の種子生産農家に新品種の原種種子を、農民代表にリン浸漬処理の技術マニュアルと同技術用の少量肥料パッケージを、研究代表の辻本に農業畜産大臣名での感謝状「マダガスカルの持続的なイネ生産の向上、その技術開発と人材開発への貢献に対して」が授与されました。その後、相手国を代表してマダガスカル国立農村開発応用研究センター(FOFIFA)所長、アンタナナリボ大学放射線研究所(LRI)所長、およびFOFIFAの若手研究者が、本プロジェクトを通して学んだことと今後の展望について発表しました。
総合討論では、県農業局長、JICAの稲作技術普及プロジェクトPapriz、同技プロで栄養改善に取り組むPASAN、国立栄養局代表が本プロジェクトで得られた技術や知見を実践するための具体策を説明しました。
最後に、JSTの長峰研究主幹と農業畜産省事務次官が閉会の辞を述べました。事務次官は、JICA技プロやその他のドナーと連携しながら、農業畜産省が本プロジェクトの成果を実装していくこと、また、次のSATREPSに期待することを言及しました。本終了式典には会場60名、オンラインで約20名が参加しました。式典の様子は、農業畜産省の公式SNS・Webサイトの他、19件のテレビ、新聞、ラジオで報道されました。
参考:2022年9月8日付け新聞、Orange actu Madagascar 記事
- Clôture du projet "Fy Vary"(FyVaryプロジェクトの終了式典)
https://actu.orange.mg/cloture-du-projet-fy-vary/