土壌肥沃度の迅速評価技術に関するワークショップをマダガスカルで開催

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SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)プロジェクト「肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上(国際農研・辻本研究代表)」で開発した土壌肥沃度の迅速評価技術に関するワークショップを開催し、研究成果を農業技術普及員などの受益者に広く発信しました。

2017年から国際農研が実施するSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)「肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上(辻本研究代表)」では、アフリカ随一の稲作国であるマダガスカルを研究対象とし、土壌や肥料からの養分が少ない生産環境でのイネの生産性向上に取り組んできました。その中で、圃場ごとの土壌肥沃度に応じたきめ細やかな肥培管理を実現するために、簡易で迅速に土壌を評価する技術を開発しました。

2022年4月29日に、プロジェクトで開発した土壌評価技術を受益者である農業技術普及員や農業研究機関の技官らに受け渡すことを目的として、マダガスカルのアンタナナリボ大学放射線研究所(LRI)でワークショップを開催しました。

ワークショップでは、本プロジェクトで博士号を取得したLRIのRakotonindrina研究員が、分光放射スペクトルから土壌のリン供給能を迅速推定する手法について(西垣ら, 2020)、国際農研の西垣研究員が、リン施肥に対するイネの生育応答を乾燥土壌の含水比から推定する技術について紹介しました(国際農研, 2021)。続いて、各技術の測定法や機械の操作法を参加者に実演しました。ワークショップを通して、参加者から活発に質問が投げかけられ、技術習得に対する意欲を強く感じることができました。

(参考文献)

肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上
https://www.jircas.go.jp/ja/satreps

西垣ら(2020)イネ⽣育に対する⼟壌のリン供給能は室内分光スペクトルから迅速に推定できる. 国際農林水産業研究成果情報(令和元年度)(27) https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2019_b01

国際農研(2021)Pick Up 354. 土壌が変われば肥料の効果も変わる ―きめ細やかな肥培管理の実現に向けて―
https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20210811

開発した技術について説明する西垣研究員

フィールドスペックを用いた土壌評価技術の実演をするRakotonindrina氏

ワークショップ参加者の集合写真

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