Pick Up

349. 気候変動対策技術や資源循環・環境保全技術の開発〜環境プログラム

関連プログラム
環境 情報

 

349. 気候変動対策技術や資源循環・環境保全技術の開発〜環境プログラム

2020年10月に、我が国は2050年を目途に温室効果ガス(GHG)排出ゼロをめざし、脱炭素社会に向かう取り組みを表明しました。いわゆるカーボンニュートラルへの挑戦がわが国でも開始されました。また、この取り組みに農林水産業分野から積極的に貢献していくために、今年5月に農林水産省から「みどりの食料システム戦略」が策定されました。カーボンニュートラルを実現するためには、農業生産の現場からのGHG削減が不可欠です。作物栽培、家畜生産、採取型森林資源利用を通じ加速化されるGHG排出は、人々の生活や社会への負担を増幅する原因となります。農林水産業に大きく依存している開発途上地域の農家の多くは小規模農家であり、洪水や干ばつによる生産量の減少は家族の日々の生活を脅かすことになります。また、市場に出回る農産物の量が減少すれば、市場価格が高騰し、消費者の生活が厳しくなってしまいます。GHG排出による気候変動の深刻化は、人々の生活を直接的・間接的に苦しめていることがわかります。持続的開発目標(SDGs)が掲げる17の目標を実現していくために、カーボンニュートラルな社会が必要なのです。

環境プログラムでは、農林水産業に大きく依存している開発途上地域において、環境がもつ限界を超えることがなく、資源利用効率を最大化することで、持続的な農林水産業と適切な資源管理を両立させることを目指して、気候変動対策、資源循環、環境保全、に関する地球規模課題に取り組み、GHG発生を抑制する水管理技術や畜産使用等に係る営農・管理技術開発、農産廃棄物の資源化を図るカーボンリサイクル技術の開発、窒素化合物による環境負荷を低減するための生物的硝化抑制による低負荷型農業生産システムの開発、熱帯林の林業生産力と環境適応性を強化するための造林技術の開発、また、熱帯・島嶼における山・里・海連環による環境保全技術の開発、乾燥地における土壌保全技術や干ばつリスクを軽減するための技術開発を進めていきます。環境プログラムでは、下記の6つのプロジェクトを実施しています。これらのプロジェクトでは、主にSDGs13(気候変動に具体的な対策を)と15(陸の豊かさを守ろう)の達成への貢献を中心に、その他のSDGsへの貢献も進めていきます。


(1)    開発途上地域を対象とした農業分野の総合的気候変動対応技術の開発【気候変動総合


(2)    農産廃棄物がもたらす地球規模課題の解決を目指したカーボンリサイクルを加速化する技術開発【カーボンリサイクリング


(3)    生物的硝化抑制(BNI)技術の活用による低負荷型農業生産システムの開発 【BNIシステム


(4)    熱帯林遺伝資源の特性評価による生産力と環境適応性の強化【環境適応型林業


(5)    熱帯島嶼における山・里・海連環による環境保全技術の開発【熱帯島嶼環境保全


(6)    砂漠化地域における極端気象下での持続的土地管理法の開発【持続的土地管理


(参考文献等)

(文責:環境プログラム 林 慶一)
 

関連するページ