アフリカでは、経済発展の遅れと高い人口増加率により、貧困と食料不足が蔓延しています。特にサハラ以南のアフリカでは、国内の米消費量の増加に対応するため、アジアや北米からの米の輸入量が年々増加しています。アフリカの低湿地のうち、稲作に適した土地は 2,000 万 ha あると推定されています。アフリカの米生産量を倍増させるという目標を実現するためには、これらの低湿地で効率よく、かつ持続的にコメを栽培することが不可欠です。しかし、熱帯地方に典型的な強い雨が降ると、流水や降雨によって取水施設や排水路、堤防が破壊されることが一般的に知られています。
このたび、国際農研は、クワメ・ンクルマ科学技術大学(KNUST)と共同で、現地の農民が独自の技術で建設し、長期的にメンテナンスできる低コスト水利施設を開発できるマニュアル(Manual for Improving Rice Production in Africa - Development of Low Cost Irrigation Facility applicable to Africa -)を作成し、公開しました。このマニュアルでは、農家で実施可能な費用が安い、水路の補強対策(被覆植物による補強、木製柵渠による補強、ブロックによる補強)について紹介しています。
本マニュアルが、ガーナだけでなく、アフリカ諸国の農民の米生産の普及と所得向上に貢献することを願っています。
Manual for Improving Rice Production in Africa - Development of Low Cost Irrigation Facility applicable to Africa -