国際農研とパラグアイのNikkei-Cetapar農業試験場は、ダイズさび病抵抗性大豆品種 2品種(JFNC 1とJFNC 2)を育成し、パラグアイ共和国で品種登録を行いました。

主要な大豆生産地である南米諸国ではダイズさび病が最も重要な大豆病害となっています。その対策のため、国際農研とパラグアイのNikkei-Cetapar農業試験場はダイズさび病抵抗性大豆品種JFNC 1(JIRCAS y Fundación Nikkei-Cetapar 1の意味)とJFNC 2を共同で育成し、パラグアイ国立植物・種子品質・防疫事業団(SENAVE)に、品種の保護登録(RNCP)および商用登録(RNCC)を行いました(JFNC 1 のRNCP,RNCC登録番号:510,955;JFNC 2同:511,1010)。

JFNC品種は、2010年からNikkei-Cetapar農業試験場の3名の技術者Miori Uno Shimakawa女史、Pedro Iwao Oyama Ezura氏、Christian Espínola氏と、国際農研 生物資源・利用領域の山中直樹 主任研究員によって選抜・育成されてきました。JFNC 1とJFNC 2はそれぞれパラグアイの非組換え大豆品種Aurora,YG 203(系統名:YG00/26-19)に、国際農研のさび病抵抗性系統から3つのさび病抵抗性遺伝子をマーカー選抜と連続戻し交配によって導入し、さび病抵抗性を付与したものです(図1)。

導入した3種類の抵抗性遺伝子の組み合わせは、多様で強力なパラグアイのさび病菌に有効なため(図2)、JFNC品種には殺菌剤使用軽減による環境負荷軽減と大豆作の収益性の向上が期待されます。

図1.パラグアイ登録品種JFNC 1,JFNC 2とそれらの元品種の収穫期草型と種子.

ダイズさび病の影響を受けない環境下ではJFNC品種は元品種と同様の特性を示す.

図2.パラグアイ登録品種JFNC 1とその元品種Auroraのダイズさび病被害圃場における生育の様子.

殺菌剤によるさび病防除を行わない場合でもJFNC 1はさび病による被害が少ない.