令和7年7月24日(木) 、未来科学人材アカデミー第6回プログラムとして、つくば市立研究学園中学校第8学年生2名が国際農研(JIRCAS)を訪問し、ダイズ品種のさび病抵抗性を比較する研究を体験しました。
令和7年7月24日(木) 、未来科学人材アカデミー第6回プログラムとして、つくば市立研究学園中学校第8学年生2名が国際農研(JIRCAS)を訪問し、ダイズ品種のさび病抵抗性を比較する研究を体験しました。
同中学校では、企業や研究機関での職場体験を通じて、実社会での学びを深める取り組みを行っており、今回はその一環として、JIRCASの山中直樹主任研究員(生物資源・利用領域)が進めるダイズさび病抵抗性に関する研究を題材に、体験型プログラムを実施しました。
当日は、まずJIRCASの研究活動や国際共同研究の概要について紹介し、JIRCASが世界中のパートナーと協力して進める研究が社会にどのように貢献しているか説明しました。続いて、生徒たちは、山中主任研究員が実施している「南米におけるさび病に強いダイズの開発」について、抵抗性品種による殺菌剤の削減効果や、各国の品種が異なる特性を持つことについて、植物サンプルの観察を交えながら学びました。
さらに、温室の見学ではポットで栽培されているダイズを実際に観察しながら、同じ品種でも生育環境で大きさや生育速度が異なることを知りました。また、注意深く植物体を観察することで、茎のアントシアニン着色や完熟した莢の色の濃淡に違いがあることなどを自発的に見つけることが出来ました。
午後には、生徒たちが研究チームの一員として、「ダイズ品種のさび病抵抗性の比較」実験に取り組みました。実験では、まず16日前にさび病菌を接種した南米の改良前の品種やJIRCASが共同開発した抵抗性品種などのダイズ品種の葉を実体顕微鏡で観察し、葉で生産された胞子量を胞子懸濁液の濃度から推定することで、品種ごとのさび病抵抗性の違いを評価しました。
講義に加え、実験室や温室での体験を通じて、生徒たちは実際の研究のプロセスや、現地でのダイズ生産の課題、そして農業研究の社会的意義について理解を深めることができました。今回のプログラムを通じて、生徒たちに科学技術の社会的意義や国際協力の重要性を改めて認識し、自身の進路や将来の目標について深く考える機会を提供することができました。
今後も、未来の科学人材の育成に貢献できるよう、研究現場に直接触れ、科学技術への興味・関心を一層深めることができる機会を提供していきたいと考えています。