令和6年11月20日(水)に、サレジアン国際学園世田谷中学高等学校の中学1年生の2クラス計72人が、校外学習の一環として国際農研を訪問しました。
今回の訪問では、まず国際農研が取り組む世界の食料問題や環境問題の解決に向けた研究・開発活動について紹介しました。特に、開発途上地域の農林水産分野の研究推進やその発展における日本の役割、パートナー機関との連携の重要性について生徒たちと考えました。
続いて、山中直樹主任研究員(生物資源・利用領域)と松井佳世研究員(農村開発領域)が、それぞれの研究とその成果について紹介しました。
山中主任研究員は、各国のパートナー機関と進める「南米におけるさび病に強いダイズの開発」について、研究手法や共同研究の成果として誕生した新品種を解説しました。山中主任研究員が準備した数多くのサンプルを利用して、生徒たちは新しく開発されたダイズ品種の種子や植物の観察、さび病にかかった葉の顕微鏡観察を熱心に行いました。
松井研究員は、多くの分野の研究者がチームとなって取り組む乾燥地での農業研究について、特に「塩類集積土壌」に焦点を当てて話しました。また、塩類集積地で見られる土壌の水はけの悪化について、実際に土壌の透水性の計測を実演し、詳しく説明しました。生徒たちは、乾燥地の農業ポテンシャルの高さと塩害地域での農業の難しさについて興味深く聞いていました。
生徒たちからは多くの質問が寄せられ、国際農研の研究や技術開発、国際貢献に対する関心が高まったようです。今後もこのような学校訪問を通じて、次世代の若者たちにグローバルな視点を持ち、科学技術やイノベーションに興味を持ってもらえる機会を提供していきたいと考えています。