国際農研は2016年度から、フィリピンのサトウキビ栽培における窒素施肥のタイミングと施用量を、サトウキビが最低限必要とするものに合わせることで窒素肥料を削減し、農家の収益を向上させるとともに過剰な窒素施肥よる地下水の汚染と温室効果ガスの一つである一酸化二窒素の放出を減らすことを目的に、フィリピン農業省砂糖統制庁(SRA)との共同研究を行っています。この研究の成果は国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することが期待されます。

SRAは2019年2月11日、ケソン市において、「Sugarcane Stakeholders’ Summit」 を開催し、農業省事務次官Segfredo R. Serrano氏、SRA長官Hermenegildo R. Serafica氏、SRA役員をはじめ、フィリピン全土から製糖工場、小規模農家などフィリピンの砂糖産業関係者約200名が参加しました。このサミットの開会式にて、飛田哲プログラムディレクターが国際農研とSRAとの共同研究の内容を紹介し、これまでに得られた成果を社会実装することの重要性について述べました。そしてSRAのSerafica長官と共に、環境に配慮した新しい肥培管理技術をフィリピンのサトウキビ栽培への広域適用を図ること、地域環境への便益をモニターすること等を目的に、共同研究の内容を更新したうえで2年間延長する新たな共同研究合意書(JRA)に署名を行いました。

現在、フィリピンのサトウキビ栽培では、生産性の向上と持続的な栽培が喫緊の課題であり、国際農研とSRAとのこれまでの共同研究の成果に対して、フィリピン側から高い評価を受けています。JRAへの署名後、フィリピンにおける持続的サトウキビ栽培技術の開発による同国の砂糖産業への高い貢献、特に窒素溶脱と作物モデルの研究に対して、国際農研はSRAから感謝状を頂きました。

この機会により、SRAのみならずフィリピンの砂糖産業に関わる多くの方々に、「アジア・島嶼資源管理」プロジェクトがフィリピンで行っている調査・研究活動について知っていただくことができました。今後、フィリピンとの協力関係を広げ連携を強くすることにより、プロジェクトの研究活動と成果の社会実装がいっそう進むことが期待されます。

JRAにサインする飛田PDと Serafica長官

JRAにサインする飛田PDと Serafica長官

JRA更新後壇上で関係者が壇上で握手

JRA更新後関係者が壇上で握手

スピーチを行う飛田PD

スピーチを行う飛田PD

フィリピンSRAよりの感謝状

フィリピンSRAよりの感謝状