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1544. 世界の飢餓は3年連続で改善も、依然6億4,500万人が飢餓状態 ― SOFI 2026
1544. 世界の飢餓は3年連続で改善も、依然6億4,500万人が飢餓状態 ― SOFI 2026
FAO(国連食糧農業機関)、IFAD(国際農業開発基金)、UNICEF(国連児童基金)、WFP(世界食糧計画)、WHO(世界保健機関)は、2026年版報告書「世界の食料安全保障と栄養の状況:The State of Food Security and Nutrition in the World(SOFI)2026」 を公表しました。同報告書によれば、2025年の世界の飢餓人口は約6億4,500万人(世界人口の7.8%)と推計されており、3年連続で減少しています。一方で、この改善のペースは依然として緩やかであり、2030年までのSDG 2(飢餓ゼロ)の達成には大きな課題が残されていると指摘しています。
また、2025年には約21億人(世界人口の25.8%)が中程度または深刻な食料不安の状態にあり、2020年と比較すると一定の改善は見られるものの、依然として高い水準にあると報告されています。地域別では、アフリカの飢餓人口が約3億900万人となり、人口増加の影響もあって、アジア(約2億9,200万人)を上回り、世界で最も多くの飢餓人口を抱える地域となっています。
2026年版報告書の特集テーマは 「健康的な食事の高コスト」 です。報告書によると、世界では約27億人が健康的な食事を購入できない状況にあり、特にアフリカでは人口の約3分の2がそのような食事を負担できないとされています。
さらに報告書は、食料不安が農村部でより深刻であること、また女性や子どもなど脆弱な層への影響も依然として大きいことを示しています。その上で、食料システムの強化に加え、健康的な食事のコスト低減に向けた政策改革や投資拡大の必要性を指摘しています。
加えて、同報告書では中東地域における紛争や経済的不安定化が今後の食料安全保障に与える影響についても分析されており、地域間格差や地政学的リスクが世界の食料・栄養状況を左右する重要な要因となる可能性があると警告しています。
世界の飢餓はわずかに改善傾向にあるものの、その進展には地域間で大きな偏りが見られ、多くの人々にとって健康的な食事へのアクセスは依然として困難な状況にあると、SOFI 2026は指摘しています。また、飢餓と栄養不良の解消に向けて、単なる食料供給量の確保にとどまらず、「栄養価の高い食事へのアクセス」を重視した政策対応の重要性を強調しています。
(参考文献)
FAO, IFAD, UNICEF, WFP and WHO (2026). The State of Food Security and Nutrition in the World 2026: Understanding and Addressing the High Cost of a Healthy Diet. Rome. https://doi.org/10.4060/cd8306en
(文責:戦略統括室 飯山みゆき)