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338. グローバルフードシステム

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昨年から続くCOVID-19パンデミックにより、世界の食料システムは多大な影響を受けています。また、世界の飢餓人口は2014年から穏やかな増加傾向が続いていましたが、2020年は前年から1億1800万人急増し、7億2000万人~8億1100万人と推計されています。国連は今年の9月に国連食料システムサミットを主催しますが、7月26日から28日までの3日間、イタリアのローマでプレサミットを開催し、持続可能な食料システムについての議論を行います。グローバルフードシステムを巡る話題については、これまでのPick Upで何度か取り上げてきましたが、プレサミットを前に今一度整理をしておきたいと思います。

 

グローバルフードシステム
フードシステムとは、『農業、林業または漁業、及び食品産業に由来する食品の生産、集約、加工、流通、消費および廃棄に関するすべての範囲の関係者及びそれらの相互に関連する付加価値活動、ならびにそれらが埋め込まれているより広い経済、社会及び自然環境を含むもの』とされています。つまり、食料の生産から消費に関わるほぼすべての活動を指しているのです。フードシステムは、発達した分業ネットワークによって成り立っているため、需給関係が崩れるとその影響は計り知れません。昨年から続くCOVID-19パンデミックは生産と消費を結ぶ流通を分断したため、地球規模でフードシステム(グローバルフードシステム)への影響が懸念されました。

 

地球と食料の未来のために フードシステムと科学技術(飯山みゆき)

*グローバルフードシステムが15分で理解できます

 

フードシステムへの懸念は我々の食生活にも及んでおり、質の低い食生活による栄養不良・微量栄養素不足・肥満率の上昇をもたらしています。さらに、これまでのグローバルフードシステムは、肥料、農薬、エネルギー、土地、水などの投入量を増やすことで、多くの食料をより安価に生産することを目指してきたことから、生物多様性の喪失、環境汚染、水不足などを引き起こす主な原因となりました。これらのことから、持続可能な食料生産と食生活への変革を訴えるEAT財団とランセットにより結成されたEATランセット委員会は、2019年に人類と地球の両方の健康を保つためにフードシステムの果たす役割を強調し、世界的に注目を集めています。このように、グローバルフードシステムは全人類の共通課題として早急に議論しなければならないのです。

 

国連食料システムサミット
2015年9月に持続可能な開発目標(SDGs)として、目標2「飢餓をゼロにする」が掲げられましたが、過去10年以上減少していた飢餓人口は、2016年から増加に転じ、コロナ禍によってさらに悪化しています。SDGsの達成のためには、持続可能なフードシステムへの早急な転換が必要不可欠です。2021年、国連の主催により、食料を生産・流通・消費のシステム全体としてとらえ、すべてのステークホルダーに開かれたイベントとして、食料システムサミット(UN Food Systems Summit, UNFSS)が開催されます。
7月26日から28日までの3日間開催されるイタリアのローマでのプレサミットに続き、9月にはニューヨークにて本会合が行われ、食料システムの持続性の確保を世界的な共通の課題として今後のあるべき姿が議論されます。

 

国際農研は、これからもグローバルフードシステムに関連する情報を収集し、皆様に提供していきたいと思います。
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(文責:情報広報室 金森 紀仁)