令和8年9月30日(水)、国際農研は、ケープタウン大学のChristopher Trisos博士による講演会を開催しました。Trisos博士は、気候変動リスクと適応研究の第一線で活躍し、IPCC第6次評価報告書ではアフリカ章の統括主執筆者を務めました。
講演では、Attribution(原因特定)研究とは、観測された影響を、人為的な気候変動がなかった場合の仮想的な状況と比較し、気候変動の影響や排出源の寄与を明らかにする方法であることが説明されました。アフリカの小児マラリア、南アフリカの暑熱による死亡、サンゴの白化などを例に、影響の大きさや地域差を科学的に分析する取組も紹介されました。
さらに、1~5年先の気候リスクを予測し、健康や生物多様性への影響を早期に把握する研究や、世界各地の適応策に関する科学的知見を整理し、意思決定に役立てる取組も紹介されました。講演後には、こうした知見を農業・食料システムの研究や国際協力にどのように生かしていくかについて、参加者との意見交換が行われました。