2025年11月28日、2021年国連食料システムサミット(UNFSS)のフォローアップ機関であるUN Food Systems Coordination Hub(FAO内設置)の公式ウェブサイトにおいて、国際農研および農研機構が、日本発の農業研究イノベーションを牽引する「Japan’s Innovation Engine」として紹介される記事が掲載されました。
記事 “Japan’s Innovation Engine: How JIRCAS and NARO Are Shaping the Future of Sustainable Food Systems” では、日本の研究機関、とりわけ国際農研と農研機構がそれぞれ国際的対応と日本国内の対応において持続可能な食料システムへの転換に重要な役割を果たしていることが強調されています。
国際農研については、グリーンアジアプロジェクトの一環として作成した「アジアモンスーン地域の生産力向上と持続性の両立に資する技術カタログ Ver.4.0」が紹介され、アジアモンスーン地域に適した持続可能な農林水産業技術を整理し、関係国との協力のもと情報発信を進めている点が評価されています。 また、同カタログがASEAN-日本みどり協力プランなどの国際的な枠組みとも連携しながら、実証・展開段階にある技術の共有を通じて、地域全体の食料システム変革に貢献していることが紹介されています。
さらに記事では、「日本は、国の研究システムが地域およびグローバルなプラットフォームと効果的に連携するモデルを提供している」としており、このことは日本の取り組みが国際的にも高く評価されうるものであることを示しています。
2025年10月27日に東京・一橋講堂で開催された「JIRCAS国際シンポジウム2025:アジアモンスーン地域における農林水産業技術の実装加速化-生産力向上と持続可能な食料システム構築に向けた現状と展望」においても、グリーンアジアプロジェクトの成果を共有し、各国研究機関や国際機関とのパートナーシップを強化する場として位置付けられています。本シンポジウムは、アジアモンスーン地域における持続可能な食料システム構築に向けた議論と協働を後押しする機会となりました。
今回のUN Food Systems Coordination Hubによる発信は、日本の農林水産業研究が国内外の政策対話や現場の実装と結びつきながら、持続可能な食料システムの実現に貢献していることを国際社会に示すものであり、日本の関連研究機関の国際的なプレゼンスを高める重要な契機と位置付けられます。 国際農研は、今後も国内外の研究機関や関係パートナーと連携しながら、科学とイノベーションを通じた食料システム変革に貢献していきます。