~水田メタン排出削減を目指し、カンボジアの農家とともに始動~
2024年7月31日、カンボジア国プルサット州において、本年4月に開始した水田メタン排出削減を目指すSATREPSプロジェクトのキックオフミーティングおよび農民水利組合ワークショップを開催しました。
キックオフミーティングは、モデル地区の位置するプルサット州の関係者に対し、プロジェクトの開始を正式に伝え、協力を依頼する目的で開催し、JICAカンボジア事務所からの歓迎挨拶で始まり、プルサット州水資源気象局副局長による歓迎挨拶、農林水産局局長の開会挨拶、国際農研・泉プロジェクトリーダーによるSATREPSプロジェクトの紹介が行われました。
引き続き行われた農民水利組合ワークショップは、モデル地区の農民水利組合の組織強化・研修の一環として開催したもので、農家が抱える問題点やその解決方法について議論を行いました。国際農研・進藤特別研究員によるワークショップの趣旨・進め方についての説明の後、農家、農民水利組合の役員、プルサット州農林水産局、水資源気象局の職員、王立農業大学、カンボジア工科大学の学生らが4つのグループに分かれ議論を行い、最後に各グループの代表者が結果を発表しました。
農家が抱える問題点としては、気候変動の影響(干ばつや洪水)、水不足、技術不足、インフラの不備、農家経営(農業用資機材や燃料の高騰、農産物販売価格の不安定さ、労働力不足)などが挙げられました。また、政府の関係者からは、農薬や肥料の使い過ぎによる環境への影響の懸念など、農家の行動に対する指摘も出ていました。本SATREPSプロジェクトでは、今回のワークショップの内容も踏まえ、農家に支持される技術開発を目指します。