沖縄県石垣市に所在する熱帯・島嶼研究拠点(熱研)では、熱研の研究活動の一端を分かり易く市民のみなさまに紹介し、研究活動を理解していただくとともに研究情報が市民のみなさまの生活の一助になることを期待し、熱研市民公開講座を開催しています。2007年5月に初めて開催した熱研市民公開講座も、今回で47回目となりました。

 今回の「有機物による温暖化の緩和と作物生産性の維持」では、熱帯の農耕地における有機物長期連用の意義、気候変動(地球温暖化)の緩和や土壌肥沃度の維持のために有機物連用が効果を示す事例として、ベトナム・メコンデルタの水田における稲わら堆肥施用による効果、タイの畑圃場における有機物施用による効果などについて紹介しました。また、持続的な作物生産へ向けて、気候変動緩和策や土壌への炭素隔離、有機物施用などの関係についても説明し、石垣島や沖縄地域での有機物施用の可能性についても考察しました。あまり見かけなくなった農耕手法が地球規模問題の解決のために役に立つことが理解できたと思います。参加した石垣市民など32人との質疑応答や意見交換では、土壌への実質的な貯蔵量・率、有機物施用の栽培コスト、温暖化を緩和する農畜産業技術の重要性、林業・森林の重要性と対応技術、ベトナム現地の料理の味、沖縄でのサトウキビ株出し栽培での有機物量の変化と機械化の影響などについて、活発な質問や意見をいただきました。また、終了後の会場では講師への追加質問や農業技術相談をする参加者もおり、有機物施用による作物生産についての情報を提供する良い機会になりました。これからも、熱研提供の稲作・畑作栽培技術情報が石垣市内の農家の生産活動に少しでも貢献することを期待しています。

今後とも、熱研の発信する研究情報などが市民のみなさまのために役立つことを希望しております。

第47回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

第47回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

有機物施用による温暖化の緩和と作物生産性などについて活発に質問する市民

有機物施用による温暖化の緩和と作物生産性などについて活発に質問する市民