第42回熱研市民公開講座「フィリピンにおけるサトウキビ栽培と環境保全」(12月7日)の開催報告

第42回熱研市民公開講座「フィリピンにおけるサトウキビ栽培と環境保全」では、ネグロス島のサトウキビ栽培を通して環境保全の必要性について考えるため、現地でのサトウキビ栽培の特徴、気候や土壌と土地利用の特徴、施肥による環境への影響、減肥対策による環境保全などを紹介しました。また、宮古島での施肥方法の変更による地下水汚染の改善事例や減肥対策によるコスト削減と環境保全の両立について話題を提供いたしました。

沖縄県石垣市に所在する熱帯・島嶼研究拠点(熱研)では、熱研の研究活動の一端を分かり易く市民のみなさまに紹介し、研究活動を理解していただくとともに研究情報が市民のみなさまの生活の一助になることを期待し、熱研市民公開講座を開催しています。2007年5月に初めて開催した熱研市民公開講座も、今回で42回目となりました。

今回の「フィリピンにおけるサトウキビ栽培と環境保全」では、ネグロス島のサトウキビ栽培を通して環境保全の必要性について考えるため、現地でのサトウキビ栽培の特徴、気候や土壌と土地利用の特徴、施肥による環境への影響、減肥対策による環境保全などを紹介しました。また、宮古島での施肥方法の変更による地下水汚染の改善事例を参考に、沖縄でのサトウキビ栽培についても環境保全の必要性について理解を深め、一緒に考えてみました。さらに、減肥対策によるコスト削減と環境保全の両立について話題を提供いたしました。参加した石垣市民30人との質疑応答や意見交換では、現地の製糖産業の歴史、赤土流出と肥料流出の違い、サトウキビの新植と株出し栽培の肥培効果の違い、石垣島に応用できる肥培管理、栽培指針の修正の必要性、肥効調整型肥料の活用経験などについて、活発な質問や意見をいただきました。また、終了後の会場では行政機関からの相談もあり、意見交換の良い機会を持つことができました。石垣島でのサトウキビ栽培のコスト削減と環境保全を両立させるため、今回の情報が役立てば幸いです。

今後とも、熱研の発信する研究情報などが市民のみなさまのために役立つことを希望しております。

なお、下記のとおり、報道されました。

  1. 八重山毎日新聞2017年12月9日朝刊第9面「サトウキビ 環境保全策など紹介 熱研市民公開講座 減肥対策でコスト削減も」

第42回熱研市民公開講座にて熱心に聴講する市民

肥効調整型肥料の活用経験に基づいて活発に意見交換する市民

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