「自然沼の水資源を利用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル」の広報セミナー報告

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資源環境管理

このセミナーは、ニジェール国農業省関係局とJIRCASが5年にわたり実施した調査の結果を取りまとめた最終成果物である「自然沼の水資源を利用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル」を関係者間に広く周知することを目的として、農業省調査計画局とJIRCASで共同開催したものです。

日時
2011年10月27日(木) 10:00-12:35
場所
ニメア市内 アフリカホーム1F
主催者
農業省、JIRCAS

概要

このセミナーは、ニジェール国農業省関係局とJIRCASが5年にわたり実施した調査の結果を取りまとめた最終成果物である「自然沼の水資源を利用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル」を関係者間に広く周知することを目的として、農業省調査計画局とJIRCASで共同開催したものです。

 セミナーには、ニジェール国農業省から農業省次官補をはじめ、調査計画局局長代理、技術委員会委員、農業省職員に加えて、今後、マニュアルを利活用するであろうJICAニジェール支所、JICA専門家、ICRISAT、ニジェール国立農業研究所(INRAN)、野菜栽培組合連合、ニアメ大学農学部、現地NGOなど、総勢34名が参加しました。

 セミナー開催に当たって、農業省次官補からJIRCASの調査成果に関して、「折よく、ニジェール共和国大統領が提唱している3N(Nigeriennes Noullient Nigeriennes:ニジェール人の糧はニジェール人が与えよう)イニシアティブ目標に完全に合致している。」と述べ、本セミナーに参加した野菜栽培の活動にかかわるプロジェクト、NGO、協会などの責任者たちに対して、「ニジェール国において野菜栽培を促進させるに当たり、このマニュアルで書かれていることは地域の状況に即しており、正しい技術を伴った栽培を実施する際の基準となり得る。」とニジェール国での本マニュアルの有効性を強調しました。同次官補は続けて、JIRCAS調査団に対して、農業省がこのマニュアルを広く配布することを約束し、開会の辞として締め括りました。
 次に、本調査の目的や背景を含むマニュアルの内容について、カウンターパートである農業省調査計画局職員が紹介しました。特に、このマニュアルは農家を直接、支援・指導する立場にある普及員のような者を対象に作成されていること、乾期に野菜を栽培するにあたって主たる制約要因に対する支援内容などから構成されていること、を強調して説明しました。説明の後、マニュアルの内容に関して、参加者と活発な意見交換やコメントが交わされ、広報セミナーは閉会しました。コメントには、「マニュアル完成にあたり、JIRCASの活動に敬意を表す。」や「調査を継続実施することでさらに良い結果を得られるだろう。」といったように当該調査の最終成果に対して高い評価の声が聞かれました。

 セミナー開催後には、本セミナーの様子が国営放送のTele Sahelで、同日夜のニュースで全国放送され、この放送を見たダンチャンドゥの郡長と市長が、翌日、マニュアルを寄贈して欲しい旨の依頼があるなどの反響がありました。翌週の月曜日には、ニアメ市内で刊行されているル・テモアン紙、ラ・グリフ紙、ル・カナード紙の3紙に本セミナーの開催に関しての記事が掲載されました。

 このマニュアルは、広報セミナー参加者に配布すると共に、野菜栽培組合連合など特に今後の活動に有益と考えられる機関に対して10~30部を無償配布しました。また、300部を農業省調査計画局に寄贈しました。これらは、農業省の地方出先機関に配布される予定となっています。合計約500部のマニュアルがニジェール国で活用されることで、乾期野菜栽培が展開されることが期待されます。

セミナーの様子

農業省次官補の開会の辞

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