令和8年7月24日(金)、サレジアン国際学園世田谷中学高等学校1年生66名を国際農林水産業研究センター(JIRCAS)に迎え、未来科学人材アカデミー第32回(午前)及び第33回(午後)講座を開催いたしました。
同校では、中学1年生の本科クラス生徒対象に校外学習を通じて、先端研究と生態系の知見を得ることで生徒の科学に対する興味関心や探究への意欲の高揚を図るために取り組みを進めており、今年で3回目の訪問となります。生徒たちは国際的な農業研究に触れながら、科学と社会との繋がりを学びました。
講義前半は、連携交流科からJIRCASの研究活動や国際共同研究の取り組みを紹介しつつ、生徒参加型によるクイズ形式で日本が輸入する食料の総量やSDGsの対策などについて学びました。これらを通じ、食料安全保障や持続可能な農業生産の実現に向け、国際研究が果たす役割について理解を深めました。
講義後半はスーパーフードとして注目される作物「キヌア」をテーマに講演を行いました。「キヌア」は“未来の食”を支える可能性を秘めています。午前の講義(第32回)では小賀田拓也プロジェクトリーダー(生物資源・利用領域)が、午後の講義(第33回)では小林安文主任研究員(同領域)がそれぞれ講師を担当しました。
2人の講師からはそれぞれ、キヌアの生態メカニズムやその応用の可能性などキヌアの特性や研究の最前線が紹介されました。また生徒自ら植物体や種子を手に取りながら、植物体と種子の親子関係を見つけるクイズや顕微鏡を用いたキヌアの葉にあるブラッダー細胞(キヌアやアイスプラントなど一部の塩生植物の表皮にみられる袋状に突き出した細胞)の観察、さらに、グループごとの発表機会も設けられ、生徒の「ワクワク」を引き出すような講義が展開されました。
また、講師2人が農業研究の道を志したきっかけや研究者になるまでの経験についても紹介されました。
生徒たちからは「乾燥に強いのは体に水を貯めるのか」「キヌアの祖先はどのような形をしているのか」「キヌアは環境にあわせて形態が変わりやすいのか」といった鋭い質問が多くなされ、講師がタジタジになってしまう場面もありました。終盤には引率の先生からも質問があがり、盛況な講義となりました。
今回の講義を通じて、生徒たちは科学研究の可能性や社会的意義、そして国際協力の重要性について理解を深めました。今後もJIRCASでは、未来の科学人材の育成に向けて、研究現場に直接触れる機会を提供し、科学技術への興味・関心の向上に貢献していきます。
JIRCASは、将来の科学技術を担う中高生を対象に、最先端の研究や科学的思考に触れる学びの機会を提供しています。本事業「未来科学人材アカデミー」の概要やお問い合わせについては、こちらの事業紹介ページ をご覧ください。