令和8年7月22日(水)、静岡市立高等学校 科学探求科の2年生10名を国際農研(JIRCAS)に迎え、「未来科学人材アカデミー」第31回講座を開催しました。
同校では、科学探求科2年生の生徒を対象に、最先端の科学技術について知ることで、生徒の科学的視野を広め、また研究者との交流や施設見学を通して進路意識の高揚を図ることを目的に科学研修を実施しており、その一環として今回のJIRCASへの訪問が行われました。同校は今年で3回目の訪問となります。
講座の前半では、JIRCASの研究活動や国際共同研究の概要を紹介し、世界各国のパートナーと協力して進める農林水産分野の研究が、日本に住む私たちの食や生活にどのように貢献しているかを説明しました。特に、日本の食料生産の現状や国際的な食料生産・流通にも焦点を当て、日本が開発途上国での研究や技術開発への協力を進める意義について、生徒自身が考える機会を提供しました。
後半では池浦弘主任研究員(農村開発領域)から、農業における“水”のお話、そして乾燥地農業のための水資源を効率的に利用する技術について講義が行われ、つづいて池浦主研が取り組むビニルハウス内の水蒸気を集めて農業用水として再利用する研究が紹介されました。講義の内容では、 “飽和水蒸気量”といった学校の授業で習う用語が多く使われるなど、学生にとって研究が授業の延長にあるものとして身近に感じてもらえたようです。
座学の後には、JIRCASの八幡台圃場を訪問し、実際に池浦主研が研究を実施する圃場試験の様子や異なる実験施設2つを観察してもらいました。学生の皆さんにはリアルタイムで水蒸気が回収される様子を確認してもらい、座学時よりも多くの発言が飛び出すほど積極的に授業に臨む姿が印象的でした。更に1日に回収される水の量は学生の皆さんの予想を遥かに超えており、「施設の違いによる水の回収量の差」、「現地に機材を導入するときの価格」、「実際に導入されている国」など、驚きとともに多くの質問が出ていました。
また当日担任の先生からは「学校で習う知識を使って説明がされるなど非常に学校としてありがたい」との御礼の言葉があり、後日には「生徒は、実際に実験している設備も見学ができたこと、また、予想以上にハウス内から水を集められることに驚いていました。先端の研究内容に触れ、その目的や意義、実際の研究者の方とお話ができた貴重な機会となりました。」というご連絡もいただきました。
今回は普段学生の皆さんが日頃何気なく使っている水について考える機会となりました。
今回の訪問を通じて、生徒たちは科学の可能性、研究の社会的意義、そして国際協力の重要性について理解を深めました。今後もJIRCASでは、未来の科学人材の育成に向けて、研究現場に直接触れる機会を提供し、科学技術への興味・関心の向上に貢献していきます。
JIRCASは、将来の科学技術を担う中高生を対象に、最先端の研究や科学的思考に触れる学びの機会を提供しています。本事業「未来科学人材アカデミー」の概要やお問い合わせについては、こちらの事業紹介ページをご参照ください。
