未来科学人材アカデミー第10回:茨城県立並木中等教育学校でパームバイオマスの活用についての講義を実施

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令和7年9月11日(水)、国際農研(JIRCAS)は未来科学人材アカデミーの一環として、第10回講座を茨城県立並木中等教育学校で開催しました。同校では今年、「つなぐ」をテーマに総合学習を進めており、今回は日本と海外をつなぐ「研究」の力について、中学3年生160名に向けて講義を行いました。

未来科学人材アカデミー

令和7年9月11日(木)、国際農研(JIRCAS)は未来科学人材アカデミーの一環として、第10回講座を茨城県立並木中等教育学校で開催しました。同校では今年、「つなぐ」をテーマに総合学習を進めており、今回は日本と海外をつなぐ「研究」の力について、中学3年生160名に向けて講義を行いました。

はじめに、JIRCASがなぜ海外、特に開発途上国の農林水産業に関する国際共同研究を進めているのか、また、その研究が社会にどのように貢献しているのかを紹介しました。さらに、こうした研究を支える「グローバル人材」や「科学技術イノベーション人材」の重要性について、生徒とともに考えました。

講座では、生物資源・利用領域の小杉昭彦領域長と鵜家綾香研究員が登壇し、私たちの生活に欠かせないパーム油と、その生産に伴う環境問題の解決に向けた技術開発について説明しました。

小杉領域長は、「なぜマレーシアが油ヤシ(パーム)大国となったのか」について、歴史的背景や制度面から解説しました。品種改良の進展、高い生産性、国の政策が相互に影響し合いながら、パームが主力産業へと成長した過程を、生徒たちは興味深く聞いていました。

続いて、鵜家研究員は、パーム油の生産過程で発生するバイオマスが未利用のまま放置され、それが環境に影響を与えていることについて、分かりやすく説明しました。さらに、このバイオマスを持続可能なエネルギーや資材へと変換する技術の研究・開発、および技術実装に向けた取り組みについて紹介しました。

講義後には、生徒たちから熱心な質問が寄せられ、講師たちはひとつひとつ丁寧に答えていました。その様子から、生徒たちが科学技術の社会的意義や国際協力の重要性、そして、自身の進路や将来の目標について、深く考える貴重な機会となったことが伺えました。

今回の講座は、昨年度の第14回科学の甲子園全国大会に出場したチームが国際農研を訪問した際、並木中等教育学校のジュニアチームも参加していたことがきっかけとなりました。こうした貴重な「つながり」を大切にしながら、今後も未来の科学人材の育成に向けて、研究現場に直接触れる機会を提供し、科学技術への興味・関心をさらに高めていきたいと考えています。

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