中国における主要穀物資源の高度利用に関するセミナー2014(中国主食工業化発展技術検討会)

国名
日本 中国

JIRCASと中国農業大学は、中日食品研究センターを拠点に「主要穀物資源の高度利用」に関する共同研究を実施し、多くの研究成果を出してきました。これらの研究成果を整理し今後の研究方向を検討すると同時に、JIRCASが推進している「食資源利用研究のためのネットワーク」を活用した共同研究の推進と成果の普及について意見交換することを目的に、日本と中国から約160名の参加者を得て、本セミナーが実施されました。

開催日時
2014年5月31日(土)8:30~17:00
開催場所
CICC(中国農業大学国際会議センター)会議室(中華人民共和国 北京市)
主催機関
中国農業工程学会農産品加工・貯蔵工程専門委員会
共催・後援機関
  • 中国農業大学食品科学・栄養工程学院
  • 河南工業大学
  • 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)

会議概要

JIRCASと中国農業大学は、中日食品研究センターを拠点に「主要穀物資源の高度利用」に関する共同研究を実施し、多くの研究成果を出してきました。これらの研究成果を整理し今後の研究方向を検討すると同時に、JIRCASが推進している「食資源利用研究のためのネットワーク」を活用した共同研究の推進と成果の普及について意見交換することを目的に、日本と中国から約160名の参加者を得て、本セミナーが実施されました。

なお、本セミナーは、2013年5月27日に逝去された中国農業大学李里特教授のご逝去1周忌に際し、追悼の行事も開催されたため、同教授ゆかりの研究者が多数参集しました。中国農業機械化科学研究院の李樹君院長の司会のもと、中国農業工程学会理事長、中国農業大学食品科学・栄養工程学院院長、河南興泰科技実業有限公司董事長の挨拶の後、齋藤昌義(JIRCASプログラムディレクター)と野口明徳氏(JIRCAS元理事、李教授の日本人友人代表として出席)からJIRCAS感謝状と記念品を遺族に贈呈しました。これを受けて、李里特教授夫人からは、今後もますますの日中友好と共同研究の進展を望むとの主旨のお礼の挨拶がありました。

セミナーでは、12演題の発表があり、生産地での農産品の加工貯蔵と流通技術の開発の重要性、高付加価値バリューチェーンの構築にむけた機械化技術の課題、伝統主食加工製品の産業化のための河南工業大学を中心とした産官学連携、通電過熱や過熱水蒸気を用いた食品加工技術の理論と実践、中国の伝統的主食食品加工技術、地域雑穀類を用いた主食化技術、中国伝統食酢類加工技術の改良への試み等、多岐に渡る分野からの話題提供がありました。

最後の総合討論において、セミナーの取りまとめの意味をこめて、JIRCASから齋藤昌義がグローバルバリューチェーンの考え方について紹介しました。バリューチェーン構築の目的には、農産品資源を有効に使うこと、農村部(農民)の利益や収入を増やすということの2つがあり、加工と流通の間で付加価値を総合的に高める必要があります。そのような技術を開発する際には、伝統食品や地域文化を踏まえた技術開発をすることが重要であり、セミナーで紹介された、これまでに実施されてきた具体的な取り組みの例と今後の課題は、中国におけるバリューチェーンの構築に向けて大きな意義があります。本日の議論を踏まえて、今後の日中共同研究に活かしていきたい、とコメントし、セミナーを締めくくりました。

故李里特教授へのJIRCAS感謝状と記念品の贈呈

セミナー参加者集合写真

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