- 日時
- 2013年11月20日(水) - 21日(木)
- 会場
- 国連大学 ウ・タント国際会議場
- 主催
- 国際農林水産業研究センター (JIRCAS)
- 協賛
- 国連大学
- 後援
- 農林水産省農林水産技術会議事務局
- 農林水産政策研究所
- (独)農業・食品産業技術総合研究機構
- 持続的開発のための農林水産国際研究フォーラム (J-FARD)
会議概要
- 基調講演
- 小沼廣幸(国連食糧農業機関(FAO)事務局補・アジア太平洋事務所長)
- 特別講演
- Martin C. Th. Scholten (ワーゲニンゲン大学 教授)
- セッション座長
- 小山修(JIRCAS)、安藤益男(JIRCAS)、松永亮一(JIRCAS)、齋藤昌義(JIRCAS)、
中原和彦(JIRCAS)、山岡和純(JIRCAS) - 講演者・パネリスト
- Linkham Douangsavanh(ラオス国立農林業研究所 副所長)
- 周応恒(南京農業大学経済管理学院 院長)
- 櫻井清一(千葉大学大学院園芸学研究科 教授)
- 有原丈二(株式会社クボタ 技術顧問)
- 菅野均志(東北大学大学院農学研究科 助教)
- 野口明徳(石川県立大学生物資源環境学部 教授)
- 筒井功(JIRCAS)
- 野田巌(JIRCAS)
- Othman Sulaiman(マレーシア理科大学 教授)
- 小杉昭彦(JIRCAS)
- Robert J. Holmer(アジア蔬菜研究開発センター地域代表)
- Warunee Varanyanond(カセサート大学 教授)
- 小路正博(株式会社森永生科学研究所 代表取締役社長)
- 中原和彦(JIRCAS)
- Martin C. Th. Scholten(ワーゲニング大学 教授)
- 渡部靖夫(農林水産政策研究所 所長)
- 井邊時雄(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 理事)
- 岩永勝(JIRCAS理事長)
- (登壇順)
議事概要
主催者を代表し、岩永勝JIRCAS理事長より持続可能な農林水産技術開発に対して、我が国の優れた技術を活用していく必要性が述べられ、本シンポジウムをこれからの方向性を話合う機会としたい旨の挨拶がありました。その後、来賓の農林水産技術会議事務局の雨宮宏司局長より、アジア地域の農林水産業に貢献するための国内外の連携の必要性と、「攻めの農林水産業」という視点からの研究開発の意義を強調する挨拶が行われました。また、国連大学の永田明シニア・プログラム・コーディネーターからは、本シンポジウムを通して、世界の農林水産業・食品産業等の持続的な発展に貢献することへの期待が述べられました。
基調講演では、国連食糧農業機関(FAO)の小沼廣幸アジア太平洋事務局長から、「世界とアジアの食料安全保障の動向と日本の役割」について幅広い知見に基づいた発表があり、また、JIRCASの設立20周年を記念して、20年の歩みに関するスライドショーが行われました。
セッション1では、「消費・流通構造の変化と技術開発方向」をテーマに、ラオスから「食糧確保と市場志向を目指したラオス農業の将来方向」について、中国から「中国における食料消費の変化と今後の重点的技術開発方向」について、続いて我が国からは「日本における農産物消費・流通構造の変化と技術開発方向」について発表があり、それぞれの状況に適合した技術開発の必要性について強調されました。
セッション2では、「アジアにおける持続的な農業と食品産業の発展に貢献する日本の先進技術」をテーマに、「アジア型集約農業の生産性向上に役立つ機械化技術」、「肥効調節型肥料の利用による持続的な作物生産」及び「高品質で高付加価値の食品を提供するための新技術」について発表があり、それぞれの分野での我が国の持つ先端技術の活用について紹介されました。
セッション3では、「林業・水産業・バイオマス利用による持続的な所得拡大」をテーマに、JIRCASから「未利用ベントスを利用したウシエビ混合養殖技術開発」、「タイにおける農家のためのチーク材生産技術」及び「バイオマス利用による持続的農業生産」について発表があったほか、マレーシア理科大学からは「オイルパーム廃棄物の利用技術」について発表があり、資源の循環型利用におけるバイオマス利用の役割について紹介されました。
セッション4では、「アジアにおける農業・食料技術開発の取り組みとネットワークの役割」をテーマに、アジア蔬菜研究開発センターから「生活環境変化と栄養に配慮した食料システム」について、タイから「タイにおける一村一品プロジェクトと食文化の海外展開」について、また我が国の企業の取り組みとして「食品安全性のための国際的技術開発」に関する発表がありました。それを受けJIRCASから、「国際的技術開発のためのネットワークの役割」について紹介されました。
「アジアへの貢献を通じた日本の競争力の向上」をテーマとしたパネルディスカッションでは、、先ず、オランダ・ワーゲニンゲン大学Scholten教授から「スマート農食ビジネスへのオランダの取り組み」についての特別講演があり、それを受け座長によってオランダと我が国の比較をもとに課題が整理されました。その後6名のパネラーがそれぞれ国際貢献と我が国の競争力向上を同時に果たす農林水産技術開発の課題について意見交換を行い、議論を深めました。現状の分析をもとに技術開発を国際ネットワークを活用して進める重要性と共に、我が国の果たす役割と我が国へのメリットについて確認して討論が締めくくられました。