2016年は国連が定めた「国際マメ年:International Year of Pulses」です。JIRCASは、平成28年12月2日、国連大学ウ・タント国際会議場において、豆をテーマとした国際シンポジウム「豆のちから、再発見」を開催しました。
シンポジウムではまず、主催者代表の岩永勝JIRCAS理事長が開会の挨拶を行い、今回のシンポジウムの意義と目的について述べました。続いて農林水産技術会議事務局の西郷正道局長と国連大学サステイナビリティ高等研究所の竹本和彦所長から歓迎の挨拶をいただきました。
基調講演では、国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)のDavid Bergvinson所長と高知大学名誉教授の前田和美氏より、それぞれ「持続可能な開発の達成における豆のもつ大事な役割」と「豆と人間の1万年の歴史」について貴重なご講演をいただきました。続くセッション1では「マメのある農業~持続的な栽培、開発、環境」、セッション2では「いろいろなところのいろいろなマメ~多様性とその利用」、セッション3では「マメのある生活~付加価値化と栄養改善に向けて」というそれぞれのテーマのもと、人類と豆の長い歴史と文化、豆のもつ多面的なパワー、そしてそれらのポテンシャルを引き出すための研究活動について、計9名の方々から興味深い発表をいただきました。
2016年が国際マメ年であると同時に、2030年開発アジェンダへの取り組みが開始された年でもあり、総合討論では「持続可能な開発目標(SDGs)への豆類研究の貢献」と題し、ICRISATのBergvinson所長、ミシガン州立大学のGretchen Neisler部長、ならびにガーナのクワメエンクルマ大学のRobert Abaidoo教授の3名のパネリストとの活発な意見交換を行いました。
最後に、豆のパワーと重要さを再認識し、総合的かつ包括的な取り組みが今後必要であるとのメッセージを込めた、小山修JIRCAS理事の挨拶によりシンポジウムは幕を閉じました。