- 日時
- 2012年11月28日- 29日
- 会場
- つくば国際会議場
- 主催
- 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)
- 後援
- 農林水産省農林水産技術会議事務局
- (独)農業・食品産業技術総合研究機構
- (独)国際協力機構(JICA)
- 国際稲研究所(IRRI)
- 国連食料農業機関(FAO)日本事務所
- 持続的開発のための農林水産国際研究フォーラム(J-FARD)
会議概要
- 基調講演
- Shenggen Fan (国際食糧政策研究所)
- 梅津千恵子(長崎大学)
- セッション座長
- 川島知之(JIRCAS)、松永亮一(JIRCAS)、土居邦弘(JIRCAS) 、鳥山和信(JIRCAS)、安藤益夫(JIRCAS)、山岡和純(JIRCAS)
- 講演者・パネリスト
- 山崎正史(JIRCAS)
- 花井淳一(JICAケニア事務所)
- Andrew Mude(国際畜産研究所)
- Lamourdia Thiombiano(国際連合食糧農業機関) 南雲不二男代読
- Hongwen Li(中国農業大学)
- Yulia Shirokova(灌漑・水資源問題研究所)
- Md Syedul Islam(バングラデシュ稲研究所)
- 槙絵美子((株)損害保険ジャパン)
- 藤井秀人(JIRCAS)
- Mohamed Abdellahi Ebbe(モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所)
- 松村正哉(農研機構九州沖縄農業研究センター)
- 神田英司(農研機構東北農業研究センター)
- 荒木茂(京都大学)
- 森永由紀(明治大学)
- 櫻井武司(一橋大学)
- 岩永勝(JIRCAS)
議事概要
シンポジウムには、152名の参加がありました。主催者を代表し、岩永理事長から、レジリアンスというテーマとした背景の説明とこれからの方向性を話し合える機会としたい旨の挨拶があり、その後、来賓の農林水産技術会議事務局の西郷正道研究総務官より、地球温暖化に伴う作物の不作や人口増加による食料安全保障の問題が健在化するなか、レジリアンスというテーマで情報交換をする意義を強調する挨拶が行われました。
基調講演では、国際食糧政策研究所(IFPRI)のShenggen Fan氏から、「強靭なフードシステムの構築:政策と技術」について発表があり、ついで、長崎大学の梅津千恵子教授からは、「社会・生態システムのレジリアンスと食料安全保障」と題した報告がありました。
セッション1では、「牧畜におけるレジリアンス」と題し、モンゴルにおける寒雪害(ゾド)被害と対策、アフリカの角地域干ばつへの中長期的対応、家畜インデックス保険:干ばつに由来する家畜の損失から牧畜民を守るについての発表がありました。
セッション2では、「畑作でのレジリアンス」と題し、アフリカにおける保全農業:挑戦と教訓、中国における保全農業とトウモロコシ収量への影響、塩害と戦うウズベキスタンに関する報告がありました。
セッション3では、「水稲作でのレジリアンス」と題し、バングラデシュ沿岸部におけるサイクロンAILA(アイラ)の影響、タイ天候インデックス保険の取り組み、メコンデルタの気候変動と洪水リスク-高洪水稲作地域の適応策と共存策の発表がありました。
セッション4では、「リスクの予知と早期警戒システム」と題して、アフリカにおけるサバクトビバッタの予防的防除:モーリタニアでの経験、ウンカの飛来予測と薬剤抵抗性モニタリング、水稲冷害早期警戒システムの現状に関する報告がありました。
パネル討論では、「技術開発の役割と我が国の貢献」と題し、4名のパネラーがそれぞれ土壌、気象、農業経営、生物多様性の立場からコメントを述べ、我が国の貢献における留意点としてレジリアンスへの多様性の関わりという観点で議論を深めました。
収益性も考慮したよりダイナミックな多様性が重要との方向性が示されつつ、今後のレジリアンスに関連する研究の深化のために本シンポジウムがその起点となることを確認して討論が締めくくられました。