IHIと国際農林水産業研究センター共同発表「東南アジアにおけるパーム油産業の環境汚染対策の事業化に向け提携」について

IHIと国際農林水産業研究センター(JIRCAS)は東南アジアにおけるパーム油産業の環境汚染対策の事業化に向け提携しました。

IHIと国際農林水産業研究センター(JIRCAS)は東南アジアにおけるパーム油産業の環境汚染対策の事業化に向け提携しました。

まずパーム油産業が盛んなマレーシアで事業化を目指します。同国の国土の1割はパーム油の農園と言われ、油が取れなくなって廃棄される古木と製造過程で発生する排水による環境汚染が問題となっています。 未利用バイオマスであるこれらを回収し、IHI子会社の発酵反応器とJIRCASの特許技術を用いてメタンガスに変換して製造工程で利用する方針です。 2014年度中に実証試験をスタートし、16年度までに事業化に向けた詳細を進めることとしています。

IHI環境エンジニアリング(東京都江東区)と国際農林水産業研究センターとの共同研究の契約を結んだことにより、双方の技術を組み合わせた事業化を目指します。 マレーシアでの事業を軌道に乗せた後、インドネシアでも展開も視野にいれています。 植物油の中でパーム油は生産量が最も多く、マレーシアとインドネシアには計約1,000カ所の農園があり、その面積は関東地方の約3倍もあります。 20年以上過ぎて収穫効率が落ちた古木の伐採と放置による土壌汚染、製造工場からの排水による水質汚染が問題となっています。

実証実験では排水と古木をそれぞれIHI環境エンジの発酵反応器「ICリアクター」に投入しメタンガスに変換。排水は直接投入。古木はJIRCASの特許技術によって破砕・チップ化して搾汁した糖液を投入する。得られたメタンガスは工場における発電の燃料に使うほか、圧縮天然ガス(CNG)や液体燃料にして農園から工場にヤシの実を運ぶトラックの燃料にする計画です。 マレーシアでは工場排水に対する規制などパーム油産業による汚染対策への意識が高まっており、IHIと国際農林水産業研究センターは排水向けとしてはパーム油製造大手10社に、古木向けは中小農園組合にICリアクターと関連設備の採用を提案します。

参考:「パームプランテーション事業における環境対策技術の開発」に関する共同研究の締結
(2014年6月19日, 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 株式会社IHI環境エンジニアリング

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