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1552. 気候変動により南欧の山火事リスクが急増—最新研究と国連の警告

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1552. 気候変動により南欧の山火事リスクが急増—最新研究と国連の警告

 

2026年7月28日、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は公式発表において、気候変動に伴う災害が「悪夢のような規模(nightmare proportions)」に達しつつあると警告しました。同発表では、欧州における記録的な熱波や大規模森林火災の頻発、フランスやスペインでの避難や経済的損失の発生が指摘されています。さらに、北アフリカでは気温が49℃に達したほか、日本においても40℃を超える高温が継続するなど、世界各地で異常高温の影響が報告されています。

Scientific Reports に掲載されたFeronら(2026)の論文は、南欧における火災気象条件(Fire Weather Index:FWI)の長期的変化を解析しています。同論文によれば、イベリア半島、フランス、イタリア、ギリシャの広範な地域において、極端な火災気象条件が発生する夏季日数は、1981~2025年にかけて2倍以上に増加したと報告されています。特にスペインやポルトガルでは、高温化と夏季降水量の減少が火災リスク上昇の主要因とされています。

また同論文では、2025年の南欧における大規模山火事についても分析が行われています。スペインでは約35万ha、ポルトガルでは25万ha超が焼失し、イベリア半島が南欧全体の焼失面積の約8割を占めたとされています。著者らは、近年の極端な高温と干ばつにより火災気象条件が悪化したことが、これら大規模火災の背景にあると指摘しています。

さらに同論文では、火災気象条件と北大西洋振動(NAO)およびエルニーニョ・南方振動(ENSO)との関連も検討されています。特にイベリア半島北西部では、ラニーニャ現象に伴う海面水温の変動と火災気象条件との間に統計的関連が認められ、季節的な火災リスク予測への応用可能性が示唆されています。

加えて同論文は、南欧において長期的には火災件数や総焼失面積が減少傾向にある一方で、極端な火災気象条件は増加している点を指摘しています。防火・消火体制の強化により発生件数は抑制されているものの、気候変動の影響により「発生頻度は低いが大規模で制御困難な火災」が増加しつつあると論じています。

以上を踏まえると、近年の南欧における大規模森林火災の背景には、気候変動に伴う極端な気象条件の増加が強く関与している可能性が高いと考えられます。UNFCCCは、こうした気候関連災害の増加に対応するため、化石燃料依存からの脱却を加速し、再生可能エネルギーへの移行および森林保全の推進が必要であると強調しています。

(参考文献)
UNFCCC (2026). UN Climate Chief: "The climate alarm is blaring, from every direction." (28 July 2026)
 https://unfccc.int/news/un-climate-chief-the-climate-alarm-is-blaring-f…

Feron, S., Cordero, R.R., Damiani, A. et al. (2026). Major intensification of fire weather across southern Europe in recent decades. Scientific Reports, 16, 21852.
 https://doi.org/10.1038/s41598-026-61756-4

(文責:戦略統括室 飯山みゆき)

 

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