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1450. 2026年エルニーニョ現象予測
1450. 2026年エルニーニョ現象予測
世界気象機関(WMO)は、今後数か月中に弱いラニーニャ現象が中立状態に移行し、2026年末までにエルニーニョ現象へと移行する可能性があると発表しました。
WMOによると、3月から5月までの3ヶ月間は中立状態となる確率が60%、ラニーニャ現象となる確率が30%、エルニーニョ現象となる確率が10%です。4月から6月は中立状態となる確率が70%です。5月から7月は中立状態となる確率が60%に低下し、エルニーニョ現象となる確率は40%です。
2023年から2024年にかけて発生した直近のエルニーニョ現象は、記録上トップ5に入るの強さであり、2023年を史上2番目に暑い年、2024年を史上最高の年とする一因となりました。
この期間、世界各地で異常気象が観測されましたが、科学者らは、2023年-2024に多くの異常気象現象の背景に、エルニーニョ現象だけでなく、人為的な気候変動の影響を指摘しています。人為的な気候変動による高温条件下で温められた大気が湿度をため込むことで、極端な豪雨をもたらす確率を各段に上昇させるのです。
例えば、2023年だけでも、7月には北半球では同時期に熱波が観察され、極端なサイクロンは極端な豪雨を悪化させ(7月の中国北部洪水と9月のリビアでの洪水)、先に干ばつが到来した後に洪水に移行した地域もありました(カリフォルニア、アフリカの角地域)。極端気象現象は生態系と関係して災害をもたらす場合もあり、森林火災(2023年8月のハワイや2023年春~秋のカナダ)や砂嵐(2023年4月のモンゴル)などのケースが挙げられます。
2024年も、南米の熱波、南部アフリカでの干ばつ、ドバイでの洪水など、極端現象が報告されました。2024年の初頭に起きた極端現象の多くは、エルニーニョ現象の影響も受けていますが、極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attribution (WWA)の分析は、アマゾンの史上最悪の干ばつのようなケースでも、気候変動の要因が大きく、エルニーニョは状況を悪化させたにすぎないと推論されています。アマゾン熱帯雨林とパンタナール湿原は、深刻な干ばつと火災によって深刻な生物多様性喪失の被害を受けました。アマゾンは世界で最も重要な陸域カーボンシンクであり、世界の気候の安定化にとって極めて重要な機能を果たしており、干ばつ・火災から生態系を保護するため、森林破壊の回避が急務となっています。
温暖化に伴い、エルニーニョ現象といった自然現象を超えて気候変動が気象に影響を及ぼすようになっています。適応戦略と対策に向けて、異常気象の新たな傾向を研究する必要性と同時に、気候変動緩和の取組の加速化が求められています。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)