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1486. エルニーニョ現象、2026年半ばに発生する可能性高まる
1486.エルニーニョ現象、2026年半ばに発生する可能性高まる
世界気象機関(WMO)は2026年4月24日、エルニーニョ現象が2026年半ばから発生する可能性が高まっていると発表しました。赤道太平洋の海面水温上昇が顕著となり、今後の世界的な気温や降水パターンに大きな影響を及ぼすと見られています。今回は、WMOの最新の季節気候見通しをもとに、エルニーニョの見通しとその影響について整理します。
WMOが公表した最新の報告書によると、赤道太平洋では海面水温が急速に上昇しており、2026年5~7月にもエルニーニョ現象が再発する可能性が高いとしています。年初は中立状態でしたが、現在は多くの気候モデルが一致した見解を示しており、発生に対する信頼度は高まりつつあります。一方で、この時期特有の「スプリング・プレディクタビリティ・バリア(春季予測の難しさ)」があるため、強度の正確な見通しは4月以降に徐々に明確になるとしています。
現時点では、今回のエルニーニョが強い現象になる可能性も指摘されています。ただし、WMOでは「スーパー・エルニーニョ」という表現は公式分類には用いていません。
エルニーニョは、赤道太平洋中部から東部の海面水温が平年より高くなる現象で、通常2~7年周期で発生し、9~12か月程度続きます。エルニーニョとラニーニャはENSO(エルニーニョ・南方振動)と呼ばれる地球規模の気候変動パターンの対極に位置しています。
エルニーニョは世界の気温や降水パターンを大きく変化させ、地球全体を温暖化方向に押し上げる傾向があります。実際、2024年が観測史上最も暑い年となった背景には、2023~2024年の強いエルニーニョと人為的な気候変動の影響が重なったことがありました。
気候変動そのものがエルニーニョの頻度や強度を高めているという明確な証拠はありません。ただし、海洋と大気が温暖化していることで、熱波や豪雨などの極端現象の影響が増幅されやすくなると指摘されています。
一般的には、
- 南米南部、米国南部、アフリカの角、中央アジアでは降水量が増加
- オーストラリア、インドネシア、南アジアの一部では干ばつ
が起こりやすくなります。また、北半球の夏には太平洋東部・中部でハリケーンが活発化する一方、大西洋では抑制される傾向があります。
WMOによると、2026年5~7月期は陸上の気温がほぼ全世界で平年より高くなる見込みです。特に南北アメリカ南部、中央アメリカ、カリブ海地域、欧州、北アフリカで高温傾向が顕著になるとされています。降水については、地域ごとの差が大きいと予測されています。
エルニーニョは毎回異なる特徴を持ち、その影響も地域によって大きく変わります。季節予報は、農業、水資源管理、エネルギー、保健といった気候の影響を受けやすい分野での事前対策に不可欠です。WMOは5月下旬に次回のエルニーニョ/ラニーニャ最新情報を発表予定で、6~8月以降の意思決定に向けた、より確かな指針が示される見込みです。
(文責:戦略統括室 飯山みゆき)