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813. エルニーニョ現象の兆候

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813. エルニーニョ現象の兆候

7月4日、世界気象機関(WMO)は、エルニーニョ現象の兆候が見られると宣言しました。

5月時点でエルニーニョ現象の発生可能性を指摘していたWMOによると、太平洋赤道周辺地域において、この7年間ではじめてエルニーニョ現象が展開しており、2023年後半も同現象が続く可能性を90%と予測しています。

エルニーニョ現象は、通常、2年~7年ごとに発生し、9か月~12か月ほど続くことが多いようです。エルニーニョ現象自身は太平洋中央部・東部の赤道付近の海面温度が上昇する自然現象です。一方、人為的に引き起こされた気候変動のもとでエルニーニョが生じる場合、記録的な高温や異常気象パターンを伴う可能性が懸念されています。実際、史上最高気温を記録した2016年は、非常に強いエルニーニョ現象と温室効果ガスによる人為的な温暖化という二重のショック(“double whammy”)が重なったことが原因と指摘されています。

WMO事務局長は、エルニーニョ発生の宣言を受け、各国政府は異常気象に対する健康・生態系・経済への影響を最小化するために備えるべきと述べたことが伝えられています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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