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964. エルニーニョ現象の終息とラニーニャ現象への移行見込み

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964. エルニーニョ現象の終息とラニーニャ現象への移行見込み

2023年半ば以来、人為的要因と相まって世界気温を記録的な水準に押し上げてきたエルニーニョ現象ですが、4月頃には終息に向かう見込みです。アメリカ海洋大気庁によると、現在はまだ太平洋赤道付近はエルニーニョ現象状態にあるものの、4月には平常常態になる確率が79%、6-8月には太平洋がラニーニャ現象状態に移行する確率を55%という見込みを発表しました。エルニーニョ現象は既にピークを越えたように観測される一方、その世界気温や降雨パターンへの影響は4月まで持ち越されるようです。

一方、マックス・プランク生物地球化学研究所のブログは、2023年に多くの異常気象現象の背景に、人為的な気候変動の影響を指摘します。人為的な気候変動による高温条件下で温められた大気が湿度をため込むことで、昨年9月にリビアを襲ったダニエルのような極端な豪雨をもたらす確率を各段に上昇させます。また、7月にアメリカ・中国や南欧を襲った熱波を超えるような、50℃に達する現象が将来珍しくなくなる可能性が高まります。  

多くの地域において、夏はますます異常に暑く乾燥し、その程度は気候変動とともに激化することが予想されます。その結果、農業は大打撃を受けることが予測されます。ブログは、過去50年間、北半球では既に熱波や干ばつが作物収量に負のインパクトをもたらしてきたが、今後、グローバルサウスの地域はより影響を受けていくとし、複雑な気候システムにおける異常気象の作物への影響をより精密な制度で正確に予測するために、AIの活用に期待を述べました。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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