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1005. 最近の極端気象について観測される傾向

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1005. 最近の極端気象について観測される傾向 

2023年は観測が開始された1850年以降で最も気温の高い年であり、おそらく過去10万年で最も暑かったといえるのではないかと考えられています。近年、記録的な高温は、世界中で極端な気象現象を伴うようになっています。

最近発表された論文は、2023年の異常気象に言及しつつ、近年、異常な熱波が比較的早い時期に観測され、しかも世界中の異なる地域で同時に観察される傾向を指摘しました(例えば、2023年7月の北半球で同時期に観測された熱波)。極端なサイクロンは極端な豪雨を悪化させ(7月の中国北部洪水と9月のリビアでの洪水)、先に干ばつが到来した後に洪水に移行した地域もありました(カリフォルニア、アフリカの角地域)。極端気象現象は生態系と関係して災害をもたらす場合もあり、森林火災(8月のハワイや2023年春~秋のカナダ)や砂嵐(2023年4月のモンゴル)などのケースが挙げられます。適応戦略と対策に向けて、異常気象の新たな傾向を研究する必要性が高まっています。

 

2024年も3分の1が経とうとしたところで、すでに南米の熱波、南部アフリカでの干ばつ、ドバイでの洪水など、極端現象が報告されています。極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attributionの4月18日付発表によると、サハラ地域・西アフリカで2024年3月末~4月初めに異常な熱波が観測されました。ブルキナファソでは最高気温45℃・最低気温32℃という気温が観測され、マリでは4月3日に48.5℃を記録しました。こうした異常な高温は、セネガル・ギニア・マリ・ブルキナファソ・ニジェール・ナイジェリア・チャドで報告されました。多くの国は停電を経験し、まだ正確な統計はないものの、熱波による健康被害も懸念されています。WWAは温暖化によってこのような熱波が起こる確率が高まる可能性を指摘しました。今回の異常な高温に関しては、人為的な気候変動に比べ、現在のエルニーニョの影響は比較的小さいとのことです。

 

ここからは、先日もお伝えした、国連ボランティア計画(UNV)からの情報です。締切間近ですが、是非ご検討ください。

「サブサハラ・アフリカ諸国における気候変動・干ばつ等による水・食料危機に対応する日本-UNVパートナーシップ」

UNVでは日本政府の協力による「サブサハラ・アフリカ諸国における気候変動・干ばつ等による水・食料危機に対応する日本-UNVパートナーシップ」を通じ、主に水と食糧の安全保障、社会的・経済的復興、戦略的政策立案、機関間調整などの分野で10か月間国連ボランティアとして活動する日本人専門家を募集しています。

◆応募締切:2024年4月29日(月)(予定)
◆詳細:https://unv.or.jp/news/2798/
◆ウェビナー開催:
4/24(水)18:00~18:45 2024春募集 UNV公募セミナー(登録はこちら: https://unv.or.jp/news/2855/)
4/26(金)18:00~19:00 国連ボランティア入門編(登録はこちら: https://unv.or.jp/news/2851/)

国連ボランティアの経験は、特定の専門分野や国連システムについて知見を深めスキルアップする貴重な機会であり、JPO制度応募においても職歴として見なされます。国連や国際機関等の分野でキャリアに関心のある方のご参加・ご応募をお待ちしています。

◆問い合わせ:
国連ボランティア計画(UNV)東京駐在事務所
unv.tokyo@unv.org

 

(参考文献)
Wenxia Zhang et al, 2023: Weather and Climate Extremes Hitting the Globe with Emerging Features, Advances in Atmospheric Sciences (2024). https://link.springer.com/article/10.1007/s00376-024-4080-3

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

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