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981. 森林とイノベーション:より良い世界のための新たな解決策

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981. 森林とイノベーション:より良い世界のための新たな解決策

 

3月21日は国際森林デーです。国連はこれまでに1985年と2011年を「国際森林年」と定めて、世界的な森林の減少・劣化への対応や森林を持続可能な形での管理のために様々な活動をしてきました。2回目の国際森林年の翌年2012年には、毎年3月21日を世界で森林や樹木に対する意識を高める記念日として国際森林デーを定めました。2024年のテーマは「森林とイノベーション:より良い世界のための新たな解決策(Forests and Innovation: New Solutions for a Better World)」です。

技術の進歩とイノベーションによって、各国が森林の現状をより効果的に追跡・報告できるようになりました。この革新的な森林モニタリングによって、合計137億トンの二酸化炭素排出の削減が国連気候変動枠組条約に報告されています。

一方で、森林破壊を防ぐためにも新たな技術の進歩が必要です。森林伐採によって毎年1,000万ヘクタールが失われ、約7,000万ヘクタールが火災の影響を受けており、早期警告システム、持続可能な商品生産、土地マッピングや気候変動資金へのアクセスを通じて先住民族のエンパワーメントを行うためにイノベーションが必要不可欠です。

さらには、イノベーションによって持続可能な木材製品の限界を押し広げながら森林再生を含む生態系の復元することで気候変動の緩和に大きく貢献し、食料安全保障を強化することができます。

 


熱帯・亜熱帯地域の熱帯林についても、近年、気候・環境制御の機能を強靭化する資源管理が求められると同時に、熱帯林産業由来の森林破壊を抑制するルールの必要性が議論されています。国際農研は、アジア地域を中心に、気候変動に適応した森林遺伝資源利用と管理による熱帯林強靭性強化、および熱帯林における無秩序な森林破壊に代わりうるオイルパーム農園の持続的土地利用と高付加価値化、に貢献しうる技術開発や社会実装に取り組んできました。2023年JIRCAS国際シンポジウムでは、世界およびアジア熱帯林の現場で活躍する研究者・企業・政策策定者らを招き、熱帯林の強靭性および産業の持続性を両立しうる機会および課題について議論の場を提供し、アジア発イノベーションを提案しました。以下のサイトから、シンポジウムの概要、および動画アーカイブへのリンクがご覧いただけます。

JIRCAS国際シンポジウム2023
強靭な熱帯林と持続的な産業の共存を実現するイノベーションに向けて

https://www.jircas.go.jp/ja/symposium/2023/e20231117_jircas

 


(参考文献)
国際森林デー
https://www.un.org/en/observances/forests-and-trees-day


(文責:情報広報室 金森紀仁)

 


 

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