TRuBUSANプロジェクトとは

TRuBUSANとは、インドネシア語で「ひこばえ」の意味で、Strengthening Tropical Forest Resilience Based on Management and Utilization of Genetic Resources Capable of Climate Change Adaptationの略です。日本語名は「気候変動適応へ向けた森林遺伝資源の利用と管理による熱帯林強靭性の創出」です。本プロジェクトの目的は以下の4点です。

 

気候変動に適応し、生産性を兼ね備えた熱帯林業用種苗の開発と普及

インドネシアは地球上の熱帯林のおよそ10%を有し、世界でも有数の林業国です。日本に輸入される合板のおよそ4割はインドネシア由来であり、私たちの生活や産業とも関わりがあります。一方、インドネシアの森林は気候変動に脆弱で、安定的な木材生産が課題となっています。そこで、ゲノム選抜育種により、気候変動に適応可能で成長が早い種苗の選抜を行います。また、クローン技術を活用し、選抜した種苗を増殖させ、現地での普及を促進します。

気候変動を考慮した植林手法と種苗配布ルールの立案

気候変動により、ある場所では林木の成長が悪くなり、逆に、今まで植林に適さないとされていた場所で成長が良くなる可能性があります。このような植林適地の変化を予測することで、気候変動に適応した植林を進めます。また、広い地域に分布する林木は、環境への適応能力が場所によって異なる可能性があります。この適応能力の違いを活用し、気候変動への適応策を進めるため、種苗の配布ルールを立案します。

気候変動適応型植林の社会実装へ向けたインセンティブ形成

上記の研究で開発される種苗と植林法を用いた熱帯林再生・新規造林事業が、環境・社会・経済に与えるインパクトを評価します。REDD+に加え、森林認証制度やESG投資における認証基準化を図ることで、熱帯雨林の再生・創出に対する国際的・地域的インセンティブの形成を目指します。

国際共同研究体制の強化

インドネシアと日本の研究者の相互交流および人材育成を推進し、林業研究開発のための質の高い国際共同研究体制を構築します。