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500. より良い世界に向けて-持続可能な開発目標13

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500. より良い世界に向けて-持続可能な開発目標13

2020年3月8日に始めたPick Upも今回で500記事目となりました。そんな今日は、気候変動に関する持続可能な 開発目標の話題を提供します。

昨年8月9日に出された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書・第1作業部会報告書(自然科学的根拠)では、気候変動の原因は人間活動が原因であることが初めて明記されました。地球温暖化の原因であるCO2などの温室効果ガスの大気中濃度は年々増え続けており、国際社会ではこの問題に対して様々な取り組みが行われています。2015に採択されたパリ協定により、先進国と開発途上国がともに気候変動問題に対する削減目標を提出し、実施状況を報告する仕組みが整備されました。更に、2017年のCOP23においてコロニビア共同作業が採択され、農業に関する実質的な取り組みを進めていく基礎も作られました。記憶に新しいCOP26グラスゴー会議の開催期間中には、アメリカと欧州が共同してグローバルメタンプリッジを表明、2030年までにメタンの排出を30%削減する目標に対し、111か国が参加を表明する大きな動きとなりました。

これらの取り組みには、持続的開発目標(SDGs)が深く関わっており、特にSDGsの13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」では、気候変動による様々な問題に緊急かつ迅速に対応していくための対策を講じていくことを国際社会に呼び掛けています。この呼びかけに対応する形で、人間開発フォーラムより「A Better World - Volume 8: SDG13」が刊行されました。よりよい世界にむけて、教育、イノベーション、そして気候変動に関する公約を遵守することで、必要な変化を起こすことが本図書の目的です。国際農研・環境プログラムも、この図書の中でアジアモンスーン地域を中心に行っている気候変動に関する研究課題の紹介を行いました。

環境プログラムは、第5期中長期計画の下、「気候変動対応」、「資源循環」そして「環境保全」の3本の柱に沿って、6つのプロジェクト、すなわち気候変動総合プロ、環境適応型林業、カーボンリサイクル、BNIシステム、熱帯島嶼環境保全、そして持続的土地管理、を通じ、開発途上地域の農林水産業への問題解決に向けた研究に取り組んでいます。

 

(参考文献)
A Better World: https://www.humandevelopmentforum.org/digital/A-Better-World-Vol-8/inde…
環境プログラム: https://www.jircas.go.jp/ja/program/proa

(文責:環境プログラム 林 慶一)

 

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