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485. 栄養不良という世界的な課題に取り組む~情報プログラムからの貢献

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485. 栄養不良という世界的な課題に取り組む~情報プログラムからの貢献

国際農研では、広報JIRCASという冊子を発行しています。ウェブサイト(https://www.jircas.go.jp/ja/publication/jircas)からもご覧いただけます。今回は最新号より抜粋し一部編集した記事を紹介します。詳しい内容は本文をご覧ください。

世界の約 10 人に 1 人は栄養不足です。そこに新型コロナが追い打ちをかけ、飢餓人口はさらに 1 億人以上も増えました。エネルギー不足だけでなく、微量栄養素不足、過栄養も大きな問題です。現在、栄養バランスの取れた健康的な食事ができていない人の数は、約 30億人にものぼるといわれています。2050 年には世界人口が 100 億人に近づくと予測されており、私たちは、「今後も増え続ける人口をどうやって健康的に養っていくか」という重大な問題に直面しています。

ひと昔前は、食料の問題といえば「コメや小麦など主食になる作物を、いかに効率的に、たくさん生産できるようにするか」ということでした。今でも生産量を増やすことはもちろん重要ですが、ほかにも考えなければならない問題がいろいろと出てきています。現在のフードシステムは、健康的な食事を供給できていないうえに、環境にも悪いと指摘されており、地球規模で農業生産や食生活を大幅に変えることなどが推奨されています。そうは言っても、その地域の実情に即した方策を打ち出さないと効果がありません。

私たちは、農村で農家へのインタビュー調査を実施して、食料供給・栄養状態を把握したりしています。また、ウェブサイト上で国際的な農林水産業研究に関するトピックスを発信したりもしています。昨年2021年は、国連食料システムサミットや東京栄養サミットが開催された、フードシステムや栄養にとって非常に重要な年でした。このような国際的な議論の場を活用、またイベント企画やセミナー講演などを通して、多くの人に食料・栄養問題を知ってもらうための取り組みをしています。

「地球と食料の未来のために」をスローガンとして掲げているように、国際農研は、人々の健康と地球の持続可能性が両立できるような世界をつくることを目指しています。そのような未来に向かって、皆で一緒に頑張りましょう!

 

参考文献

白鳥佐紀子(2022) 国際農研の研究活動紹介、広報JIRCAS, vol 9. P4-p7. https://www.jircas.go.jp/sites/default/files/publication/jircas/jircas9…

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)
 

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