Pick Up
297. 子どもの栄養不良についての共同報告書
ユニセフ、世界保健機関(WHO)、世界銀行は共同で、5歳未満の子供たちの栄養不良に関する世界および地域ごとの推定値を毎年更新しています。今月、2021年版の報告書が発表されました。
2021年版では、新しい国レベルのモデルを用いて、発育阻害と過体重について国・地域・世界の推測値を算出しました。また、2000年から2020年までの各年の推定値が新たに利用可能になりました。消耗については推定方法を改善中であり、今回は以前の版と同様に直近の年(2020)の推定値のみが示されています。今回は初めて、国のデータ、世界の負荷に占める国の割合、および2030年の目標までの進捗度を示しました。
2020年の数字で、5歳未満の発育阻害は世界で1億4920万人(22%)、消耗は4540万人(6.7%)、過体重は3890万人(5.7%)です。発育阻害は急速に減少していますが、2030年の目標に到達するには更に減少速度を加速する必要があります。過体重はゆるやかな増加傾向にあります。栄養不良の子どもたちのほとんどはアフリカとアジアに住んでいます。
これらの推定値は新型コロナウイルスパンデミックの影響を考慮したものではありません。さらに、パンデミックによって、特に脆弱な人口の世帯収入の悪化、栄養価の高い食品の入手制約、必要な栄養サービスの途絶、身体活動の減少により、あらゆる形態の栄養不良の悪化が予想されます。2020年の世界食料危機状況に関する「食料危機に対するグローバルネットワーク」の最新情報につきましては、後日改めて紹介させていただきます。
参考文献
Suggested citation: United Nations Children’s Fund (UNICEF), World Health Organization, International Bank for Reconstruction and Development/The World Bank. Levels and trends in child malnutrition: key findings of the 2021 edition of the joint child malnutrition estimates. Geneva: World Health Organization; 2021. https://data.unicef.org/resources/jme-report-2021/ Accessed on May 13.
(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)