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413. 第15回熱研一般公開  来週月曜日オンライン配信開始

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413.  第15回熱研一般公開  来週月曜日オンライン配信開始

国際農研は沖縄県石垣市(石垣島)に熱帯・島嶼研究拠点(熱研)を有しています。 観光でも有名な石垣島は、気候的には熱帯地域に属し、年平均気温は24.3 ℃、年間平均降水量は2,107 mm と高温多湿であることが特徴です。このような熱帯と島嶼という、国際農研が海外で実施する研究の現場にも類似した気候条件や地理的条件のもと、熱帯・亜熱帯の開発途上地域や島嶼地域に応用できる農業生産技術の研究開発に取り組んでいます。

令和3年4月に開始された国際農研の第五期中長期計画における16のプロジェクトの中でも、次の2つのプロジェクト、熱帯島嶼環境保全と熱帯作物遺伝資源が、熱研を中心に研究活動を行っています。

熱帯島嶼における山・里・海連環による環境保全技術の開発【熱帯島嶼環境保全】 
熱帯島嶼では熱帯雨林・マングローブ林や豊かなサンゴ礁生態系が形成され、人々は自然の恩恵を受けながら生活を営んできました。また、これらの生態系は生物多様性や地球の炭素循環にとって重要な役割を果たしてきました。しかし、近年、森林やマングローブの伐採、農地における化学肥料の過剰施用による窒素の流出、降雨による傾斜地農地からの土壌流出などの環境問題が顕在化し、サンゴ礁や海域環境に深刻なダメージを与えています。日本もまた島嶼国で、山から海までが物質循環を通じて密接につながっています。森は海の恋人と言われるように、山や里の環境の悪化は海にも影響します。山から海までが短い距離で連続する島嶼では山・里・海が一体となった取り組みが非常に重要となります。本プロジェクトでは、これまでのプロジェクト成果を踏まえ、熱帯島嶼の山・里・海が一体となって、環境負荷軽減技術の開発と資源循環の調査・観測を行うことにより、山から海までの健全な物質循環の構築を目指しています。  


熱帯性作物の持続的生産に向けた遺伝資源の情報整備と利用促進技術の開発および国内外との連携強化【熱帯作物資源
国際農研は熱帯環境にある熱研において、サトウキビ、インド型イネ、熱帯果樹、ブラキアリア(熱帯性の牧草)の遺伝資源を多数保有しています。これら熱帯性作物は、生産地域における食料、エネルギー生産、カロリー・栄養源、換金作物、および飼料として重要な役割を果たしています。地球規模の気候変動が懸念される中、これらの持続的な安定生産は喫緊の課題です。熱帯性作物およびその栽培普及技術の導入は、国内における温暖化対策の一つとしても期待され、産地の拡大や食材・栄養源の多様化に貢献すると考えられます。本プロジェクトでは、熱帯性作物遺伝資源に関するネットワーク形成による国内外機関との課題の共有、多様性を利用した品種や技術開発を通じて、情報・技術・材料の共有資源化を図るとともに、不安定な環境条件等における持続的生産ならびに国内における生産・利用の促進に貢献します。
  


このように、国関係の農業研究機関では唯一熱帯作物の栽培環境での実証研究が可能な当拠点は、国内外の農業に貢献するために大きな使命を担っています。


先日のPick Up 410でもご案内しましたように、熱研は、令和3年度の広報活動の一環として、下記のとおり第15回熱研一般公開を、11月8日(月)から1週間に亘りオンライン開催し、熱研の研究活動などについて石垣市民をはじめ国民のみなさまにご紹介いたします。これを機会に、熱研と市民や国民、さらに世界中の人びととの関係がさらに深まり、熱研の発信する研究情報などがみなさまのために役立つこと、また、農業に触れ、農業を理解するきっかけの場となることを願っています。

第15回熱研一般公開(オンライン)
  日 時: 令和3年11月 8日(月)~14日(日)
  場 所: https://www.jircas.go.jp/ja/event/2021/tarfopenhouse

(文責:熱帯島嶼研究拠点 大前英、安西俊彦、山中愼介)