令和8年7月22日(水)、未来科学人材アカデミー第30回として、三重県立松阪高等学校2年生40名を対象に講義を実施しました。講師は生物資源・利用領域の國吉大地主任研究員が務め、途上国における農林水産業研究や食料問題、環境問題への取り組みについて紹介しました。
令和8年7月22日(水)、三重県立松阪高等学校2年生40名を国際農研(JIRCAS)に迎え、「未来科学人材アカデミー」第30回講座を開催しました。
講義前半では、連携交流科からJIRCASの研究活動や国際共同研究の取り組み、特にJIRCASがアジアやアフリカなどの研究機関と連携して進めている研究などについて説明しました。また、食料安全保障や持続可能な農業生産の実現に向け、なぜ国際的な場で農業研究を行う必要性について解説し、生徒たちは世界規模の課題解決に研究が果たす役割について理解を深めました。
講義後半では、國吉大地主任研究員(生物資源・利用領域)からイネの野生種を活用した品種改良研究について講義されました。自然界には現在栽培されている作物の祖先にあたる「野生種」が存在しており、イネの野生種もアジア、アフリカ、南米、オーストラリアなど広い地域に分布していることが説明されました。野生種は栽培種よりも厳しい環境条件に適応して生育できるものが多く、その有用な遺伝子を栽培種へ導入することで、病害虫や乾燥、高温などの環境ストレスに強い新品種の開発に繋がることが紹介されました。
さらに、アフリカ稲とアジア稲の交雑研究について、図説や写真を用いながら具体的な交配手順が解説されました。実際の育種研究で行われている技術や研究プロセスを学ぶ内容となり、理系分野への進学や研究職に関心を持つ生徒にとって非常に興味深い講義となりました。
また、國吉主任研究員が農業研究の道を志したきっかけや研究者になるまでの経験についても紹介されました。進路選択を控えた高校生に向けて、大学や研究分野の選び方、自身の興味関心を大切にすることの重要性など、具体的なアドバイスが送られました。
加えて、熱帯・島嶼研究拠点における研究生活や海外での調査経験、趣味についても紹介されました。さらに、アフリカ各国の特色ある食文化や日常の食事についても多くの写真を交えながら紹介され、生徒たちは研究のみならず、国際協力や異文化理解についても関心を深める機会となりました。
今回の講義を通じて、生徒たちは科学研究の可能性や社会的意義、そして国際協力の重要性について理解を深めました。今後もJIRCASでは、未来の科学人材の育成に向けて、研究現場に直接触れる機会を提供し、科学技術への興味・関心の向上に貢献していきます。
JIRCASは、将来の科学技術を担う中高生を対象に、最先端の研究や科学的思考に触れる学びの機会を提供しています。本事業「未来科学人材アカデミー」の概要やお問い合わせについては、こちらの事業紹介ページをご参照ください。
イネの人工交配を説明、綺麗な写真に会場から感嘆の声が多数