令和7年5月29日(木)、東京都立科学技術高等学校の1年生31名が「つくばサイエンスツアー」を通じて国際農研を訪問しました。
都立科学技術高校では、理系大学進学を目指す生徒のための科学技術科を設置しており、探究心・創造性・自主性を育む教育を重視しています。今回の訪問は、科学技術への興味・関心を深めるとともに、最先端の研究現場を体験することで、将来の進路選択のヒントを得ることを目的としたSSH宿泊研修の一環として実施されました。
訪問では、先ず国際農研の研究活動や国際共同研究の概要を紹介し、大学・民間企業・国立研究開発法人それぞれの研究の特徴についても説明しました。
続いて、水産領域の筒井功主任研究員が「私たちが食べているエビの向こう側」と題し、東南アジアにおけるエビ養殖(集約法)の現状と課題について解説しました。さらに、経済的に恵まれない中小・零細エビ養殖に向けて、未利用生物資源である海藻(ジュズモ)や貝を活用した、安価で簡単・持続的な技術について紹介しました。研究を進める上で直面する課題や、異分野の研究者と協力することの意義についても説明しました。
生徒からは、東南アジアのエビ養殖や海外でのコミュニケーション方法などについて質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。今回の訪問学が、生徒の皆さんが将来社会人になった際、研究や科学技術への関心をさらに深めるきっかけとなることを願っています。
筒井主任研究員が紹介する「雑草魂で挑む!東南アジアのエビ養殖研究」のミニ講演動画はYouTube「JIRCAS channel」でご覧いただけます。