米国作物学会の科学ニュースで、国際農研が開発したギニアヤム多様性研究材料が紹介されました

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ギニアヤムの育種や栽培研究の効率化のために、国際農研が国際熱帯農業研究所、岩手生物工学研究所と共同で選定したギニアヤム遺伝資源セットに関する研究が、米国作物学会のホームページで科学ニュースとして取り上げられました。

ギニアヤム多様性研究材料(Dioscorea rotundara Diversity Research Set: DrDRS)は、ギニアヤムの育種や栽培研究の効率化のために、国際農研が国際熱帯農業研究所(IITA)と岩手生物工学研究所(IBRC)と共同で選定した102系統のギニアヤム遺伝資源のセットです。このたび米国作物学会のホームページで、このDrDRS選定に関する研究(https://doi.org/10.1002/csc2.20431)が科学ニュースとして取り上げられ、今後のギニアヤムの研究や育種に果たすと期待される役割が広く紹介されました。

今回選定したDrDRSは、DNAマーカーの一種であるSSRマーカーを用いて、IITAが維持しているギニアヤム遺伝資源447系統から、遺伝的な多様性を保持したまま系統数を絞り込み、より詳細な研究に利用できるようにしたものです。この研究では、DrDRSの全系統についてイモ収量や着生イモ数、茎数などの主要な農業形質を評価し、これらの情報も公開することができました。また、このDrDRSは、 IITAを通じた材料の配布が可能となっています。今後、これまでに解読を完了したギニアヤムヤム全ゲノム情報(https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2017_b02)や、DrDRSを利用した、この作物がもつ幅広い遺伝的多様性を有効に活用した優れた品種の開発が期待されます。

画像のクリックでアメリカ合衆国作物学会の科学ニュースの「CATALOGUING GENETIC INFORMATION ABOUT YAM」がご覧いただけます。

https://www.crops.org/news/science-news/cataloguing-genetic-information…

 

文責: 村中聡、山中愼介

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