国際生物的硝酸化成抑制(BNI)ワークショップ2015開催報告

国名
日本

国際生物的硝酸化成抑制(BNI)ワークショップ2015が2015年3月2日に国際農林水産業研究センターで開催されました。

日時
2015年3月2日(月)9時30分~3日(火)16時40分
会場(開催国・開催都市)
国際農林水産業研究センター 国際会議室(日本・つくば市)
主催
国際農林水産業研究センター(JIRCAS)

会議概要

「生物的硝化抑制(BNI)」は、植物が自身の根から硝化抑制物質を分泌して根域の硝化活性を抑制することを指しています。一部の植物がこの能力をもっており、植物自身の窒素吸収が有利になります。国際農林水産業研究センター(JIRCAS)は、10年ほど前にこのコンセプトを提案し、この分野の研究を世界に先駆けて実施し大きな成果を上げてきました。今後、研究のさらなる進展を図るためには、国内外の研究者との連携が必要不可欠です。そこで、今回、はじめての国際ワークショップをJIRCASにて開催し、本研究分野における研究の現状についての報告と討議を行うとともに、研究の将来について意見交換を行ない、将来の展開の一助するために新たなビジョンをまとめることとしました。

  JIRCASでは、現在、熱帯牧草のBrachiaria humidicola、ソルガム、オオハマニンニク(Leymus racemosus、コムギの遠縁種)の3つの植物について生物的硝化抑制に関する研究を進めています。それぞれの植物に対応して、国際熱帯農業センター(CIAT)、国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)と上記植物についてそれぞれ共同研究を実施しています。ワークショップには、上記の研究機関の共同研究者と、それぞれに対応した国際農業研究協議グループ(CGIAR)リサーチプログラム(CRP)関係者、さらに国内の農業研究機関や大学等から40名の参加がありました。

 ワークショップは2日にわたって開催されましたが、1日目は「BNI研究?現状について」と題して生物的硝化抑制について概観と植物別に最新の研究成果に関して合計11の発表が行われ、活発な討議がなされました。2日目は、「BNI研究の未来へのプランニングについて」と題してBNI植物に関わるそれぞれの研究者から今後の研究の展開方向についての講演が行われました。また、CRP関係者からそれぞれのCRPの内容と今後のBNI研究との連携に関する考えが表明されました。最後に、今後のBNI研究の展開に関して討議し速やかに討議結果をまとめ発表することとして、ワークショップは終了しました。

 International Biological Nitrification Inhibition (BNI) Workshop 2015 プログラム(英文)

写真1 ワークショップ参加者との記念写真

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